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黒川温泉、未来のありたい姿を表した「2030年ビジョン」を発表、人と自然の共生をもとにサステナブルな温泉地を目指す

2021.08.11

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2021年に設立60周年を迎えた黒川温泉観光旅館協同組合が、これまでと未来のありたい姿を表した「黒川温泉 2030年ビジョン」インフォグラフィックを公開した。

黒川温泉2030年ビジョンは、「世界を癒す、日本里山の豊かさが循環する温泉地へ」。里山の風土「人と自然の共生」をもとに旅館がもつ日本文化に根ざした時間と空間で世界中の人々をもてなし、阿蘇の豊かな地域資源を活用、循環させることで環境、経済、人々の幸福につながるサステナブルな温泉地を目指す。

ビジョン実現に向けた取り組みとしては、2012年の冬から始まり、10周年を迎える「湯あかり」や、サステナアワード2020伝えたい日本のサステナブルにて、環境省環境経済課長賞を受賞した堆肥事業「黒川温泉一帯地域コンポストプロジェクト」、また地元農家と連携し、南小国産のあか牛を軸とした循環の生態系を先の世代まで受け継いでいくことを目的とした「次の百年をつくるあか牛”つぐも”プロジェクト」などがある。

黒川温泉は、阿蘇の奥深い山間地に位置する。阿蘇地域は、世界ジオパークや世界農業遺産に認定されるなど、豊かな自然環境や歴史に育まれた文化が今も息づく地域だ。同温泉は、自然に調和した景観づくりと露天風呂を巡る「入湯手形」が評価され、年間約90万人の旅行者が訪れる温泉地となった。1986年から推進してきた温泉地の景観づくりにより、2009年版のミシュランガイド・ジャポンでは2つ星の評価を獲得、そのほかグッドデザイン賞特別賞、第1回アジア都市景観賞など数多くの賞を受賞している。

また「黒川温泉一旅館」という地域理念を掲げており、一つひとつの旅館が「離れ部屋」、旅館をつなぐ小径は「わたり廊下」、自然の景観は「宿の庭」と温泉街全体が一つの大きな旅館のように自然に溶け込んでいる。旅館は個々で競いながら質を高める一方で、知恵を出しあい温泉地全体の繁栄を志している。

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