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持続可能な観光地トップ100選2022、箱根 下呂温泉など10カ所選出。釜石市は5年連続

2022.09.28

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2022年度「Green Destinations TOP100(世界の持続可能な観光地トップ100選)」が、9月27日夜、ギリシャのアテネで開催された「未来のツーリズム」サミットで発表された。国際認証団体であるグリーン・デスティネーションズ(Green Destinations)が発表するもので、今回で8回目となる。2022年は「ビジネスとマーケティング」「文化と伝統」「環境と気候」「ガバナンスとリセットと回復」「自然と風景」「繁栄するコミュニティ」の6部門で優秀とされた観光地がトップ100入りした。選ばれた100の観光地すべてが「優良事例」として、グリーン・デスティネーションズの公式サイトで紹介されている。

日本から選出されたのは、熊本県阿蘇市、岩手県釜石市、栃木県那須塩原市、香川県小豆島町、岐阜県下呂温泉町、神奈川県箱根町、宮城県東松島市、愛知県南知多町、熊本県小国町、愛媛県大洲市の10カ所。2021年に日本から選出されたのは12カ所で今年は10カ所と若干減少したが、それでも世界中からリストアップされた100カ所のうち1割が日本の地域となった。

今回新しく選出された日本の地域は、地域を熟知し自然を守るガイドの養成に取り組む箱根町、2011年の東日本大震災の被災地にトレッキング道を作った東松島市、海岸のごみ拾いなどで環境保全に取り組む南知多町、鍋ヶ滝公園周辺での混雑緩和に取り組んだ小国町、観光を通じて人口減少を食い止める取り組みを行う大洲、エコツーリズムに基づいて宿泊客を増やし地域活性化を目指す岐阜県下呂温泉町の6地域だった。

2018年から5年連続の選出に輝いた釜石市は、「漁船の活用による観光船の復活」をテーマに、釜石湾漁船クルーズを取り上げた。

オランダを拠点とするグリーン・デスティネーションズは、持続可能な観光国際指標における国際認証団体の1つ。世界持続可能観光協議会(GSTC)が設けた団体で、GSTC認証獲得には6段階のステップクリアが必要だ。最初のステップとなる「TOP100選」に選ばれるには、初めて応募する観光地は国際基準の中心事項30項目から15項目、2回目の応募では全30項目についてレポートを作成。審査を通過するには少なくとも目指す項目の60%を満たすことが条件で、通過後に提出する地域の取り組みが高評価を得ると、「優良事例」として入選となる。

入選した観光地は、ウェブサイト「Good Travel Guide」で、持続可能な観光地経営に取り組む責任感ある旅行先として、地域のストーリーや楽しみ方などが紹介される。

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