インバウンドニュース
震災伝承施設・南三陸311メモリアルオープン、語り部によるガイドツアー始まる
2022.10.14
やまとごころ編集部東日本大震災の経験を伝える施設「南三陸311メモリアル」がこのほど、宮城県南三陸町にオープンした。「地域の方から直接話を聞きたい」という来館者のニーズに応えるべく、南三陸311メモリアルと震災遺構として残されている旧防災対策庁舎を語り部ガイドが案内する「まちあるき語り部~南三陸311メモリアル・復興祈念公園~」も始まった。
南三陸311メモリアルは、道の駅さんさん南三陸内にある震災伝承施設で、被災した町民の体験談などを通じ、自然災害を自分ごととして考えるきっかけを提供する。
今回のまちあるきツアーは、南三陸311メモリアルの無料ゾーン、震災遺構である防災対策庁舎を含む復興祈念公園を地元の語り部が案内するもの。語り部を務める地域住民は仕事や年齢も様々で、震災当時中学生だったガイドから避難所運営をしていたガイドまで幅広い。
行程としては、道の駅さんさん南三陸内「南三陸ポータルセンター」でガイドと合流したのち、南三陸311メモリアル、隈研吾氏設計の中橋、南三陸町震災復興祈念公園、旧防災対策庁舎を巡る。所要時間は1時間、予約が必要だが定員数に達するまでは即時予約が可能で、参加費は2000円から、人数によって変動。南三陸311メモリアルの休館日である火曜日は開催されない。
震災当時中学生だった語り部の阿部さんは、以前インタビューで、自分のつらい経験を”売りもの“にするような気がして、自分のことを話すのに最初は抵抗を感じたというが「心の復興は時間がかかるもので、いまでも語りたくないという人はいます。でも、みんなが口を閉ざしたら全部忘れられてしまう」と伝える覚悟を語る。町の商工観光課課長補佐の宮川氏は「南三陸町民一人ひとりがあのとき何を見て、何を感じ、どう行動したのか。この伝承館は、その真実を知って疑似体験し、自分ならどうする?という問いに向き合っていただく場として設計している」と話す。
関連インバウンドニュース
-
2025.04.23
自治体の観光施策 成果実感3割未満、データ活用と分析に課題
-
2025.04.11
世界で190兆円超規模のスポーツツーリズム、平均支出は23万円
-
2025.04.02
福岡市、デジタルノマド誘致で1.1億円の経済効果。2024年イベントに430人参加
-
2025.03.03
優良ガイドを評価し、高付加価値旅行業界の発展目指す「Guide of the Year 2025」発表、6名のガイドを表彰
-
2024.12.20
2023年の国際会議統計JNTOが発表。日本開催は前年比2.5倍、外国人参加者数は4倍に、対面式が回復
-
2024.12.03
「ワンピース」が熊本の訪日外国人増に大きく貢献、最大は宇土市で2019年度比7倍に ーナビタイムジャパン
-
2024.11.26
企業の人手不足を調査、正社員が足りない企業は半数超。飲食店、宿泊施設の不足率は緩和傾向に
-
2024.11.18
2024年のベスト・ツーリズム・ビレッジ発表、55地域認定。日本は鹿児島と山形の2地域が選出-UN Tourism