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震災伝承施設・南三陸311メモリアルオープン、語り部によるガイドツアー始まる

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東日本大震災の経験を伝える施設「南三陸311メモリアル」がこのほど、宮城県南三陸町にオープンした。「地域の方から直接話を聞きたい」という来館者のニーズに応えるべく、南三陸311メモリアルと震災遺構として残されている旧防災対策庁舎を語り部ガイドが案内する「まちあるき語り部~南三陸311メモリアル・復興祈念公園~」も始まった。

南三陸311メモリアルは、道の駅さんさん南三陸内にある震災伝承施設で、被災した町民の体験談などを通じ、自然災害を自分ごととして考えるきっかけを提供する。

今回のまちあるきツアーは、南三陸311メモリアルの無料ゾーン、震災遺構である防災対策庁舎を含む復興祈念公園を地元の語り部が案内するもの。語り部を務める地域住民は仕事や年齢も様々で、震災当時中学生だったガイドから避難所運営をしていたガイドまで幅広い。

行程としては、道の駅さんさん南三陸内「南三陸ポータルセンター」でガイドと合流したのち、南三陸311メモリアル、隈研吾氏設計の中橋、南三陸町震災復興祈念公園、旧防災対策庁舎を巡る。所要時間は1時間、予約が必要だが定員数に達するまでは即時予約が可能で、参加費は2000円から、人数によって変動。南三陸311メモリアルの休館日である火曜日は開催されない。

震災当時中学生だった語り部の阿部さんは、以前インタビューで、自分のつらい経験を”売りもの“にするような気がして、自分のことを話すのに最初は抵抗を感じたというが「心の復興は時間がかかるもので、いまでも語りたくないという人はいます。でも、みんなが口を閉ざしたら全部忘れられてしまう」と伝える覚悟を語る。町の商工観光課課長補佐の宮川氏は「南三陸町民一人ひとりがあのとき何を見て、何を感じ、どう行動したのか。この伝承館は、その真実を知って疑似体験し、自分ならどうする?という問いに向き合っていただく場として設計している」と話す。

 

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