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旅行業界初のNFTプロジェクト表彰イベント開催。日本航空、JTBグループなど5プロジェクトがグランプリ受賞

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一般社団法人NFTツーリズム協会が、国内ツーリズムに新しい可能性をもたらす先進のNFTプロジェクトを表彰するイベント「Tourism×NFT Awards 2023」をこのほど開催した。NFTとは、Non-Fungible Tokenの略で、非代替性トークンのこと。改ざん不可のデジタルデータを記録できる技術で、デジタル資産の希少性を高めるとして、アートや音楽、ファッションなど、多くの分野で新たな価値を生み出すことが期待されている。

今回のイベントは、観光業界全体でのNFT普及スピードアップと関連事業創出を目指して行われたイベントで、20名の審査員による評価を基に「誘客プロモーション」「関係人口・第2のふるさと・DAO」「体験価値・フィジタル」「地域資源」「オープンカテゴリー」の5部門のテーマに分けて各事業者を表彰した。

合計25プロジェクトがグランプリほか、ゴールド賞やシルバー賞を受賞したなかで、各部門のグランプリ受賞プロジェクトは以下の通り。

「誘客・プロモーション」部門では、観光地への旅行創出に繋がるNFTプロジェクトで、優良な結果を生み出している事業者が表彰された。グランプリに輝いたのは株式会社ルーラの「ルーラNFT」とよばれる、全国の観光地で購入できるNFTだ。デジタル通貨「ルーラコイン」を実店舗やイベントでのQRコードで使うシステムを構築。地方の温泉をアニメのキャラクターが体現する「温泉むすめ」など、親しみやすいインターフェースが特徴。様々な観光体験ができるユーティリティーが付いている。

「関係人口・第2のふるさと・DAO」部門でグランプリになったのは、日本航空株式会社、株式会社博報堂の「KOKYO NFT」。限定数販売でオリジナルの包丁作りができる「越前打刃物NFT」など、NFTホルダーだけが特別に体験できるパッケージがある。エクスクルーシブな体験を通じ、繰り返し訪れてもらえるような地域の魅力を発信、訪問者が「第二の故郷」と感じるような旅の形を提案している。

「体験価値・フィジタル」部門では、東急株式会社、株式会社PBADAO「SHIBUYA Q DAO」がグランプリを受賞した。「ゴミ問題」や「落書き消し」など、オーバーツーリズムの解消をゲームとして楽しめる娯楽性があり、参加することでNFTが変化する。店舗での商品交換や、カード表示での特典付与、メンバー向けのイベントなど、様々な業態と提携し、渋谷に新たな賑わいを創出している。

「地域資源部門」のグランプリは、株式会社J&J事業創造「Bank of Craft」が受賞。日本の伝統工芸を世界にアピールするため、最新技術や世界共通言語を用いた流通モデルを創造するプロジェクトだ。知財権管理や、ブランド認証といった職人世界のライセンス保護・再構築に始まり、デジタルアートのクリエイターや他業態とコラボする企画なども始動、各産業の架け橋も目指す。

「オープンカテゴリー」部門のグランプリは「START LANDS Inc」となった。NFTを活用して、地方自治体と連携した新しい形のツーリズムを目指すもの。自分だけのオリジナル3Dアバターを獲得し、メタバース空間で使用することによってアバターのステータスを強化。ゲーム要素が強く、若い世代にアピールする内容だ。NFTのユーティリティには、例えば高知県のデジタル住民票を購入し、投票イベントに参加できる。高知県の実店舗や観光地で特典があるNFTなど、メタバースと連携した世界構築で、観光消費額アップを狙う。

 

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