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2024年日本への好感度を持つ国・地域ランキング、1位は「好き」以上が100%のインドネシア、フィリピン

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世界14の国・地域を対象とした日本の好感度や訪日意欲に関する調査結果が、このほど発表された。アウンコンサルティング株式会社が実施した同調査は、2024年で12回目になる。

今回の調査結果で、日本が「大好き」「好き」とした回答の合計が最高値になったのは、インドネシア・フィリピンで、共に100%を記録。中でもフィリピンは、「大好き」が調査国・地域の中で最高値の77.1%を示した。日本のフィリピンに対するインフラ整備への貢献や、最大貿易国であることが理由として挙げられている。

なお、中国は、2023年の調査から約2倍の47.2%が「嫌い」「大嫌い」と回答、これは東京電力福島第一原子力発電所の処理水放出の影響とみている。「大嫌い」の最高値は韓国で、10.1%だった。

 

「大好き」「好き」とした人にその理由を聞くと、「四季の風景」「日本食」とした人が多かった。「歴史/文化」に高評価を与えたのはアメリカ・イギリス・オーストラリアだった。買い物より文化体験などの「コト消費」を充実させることが、日本の観光課題だと分析している。


※複数回答、5%以上を緑、15%以上を黄色、20%以上を赤く色づけ

訪日経験について聞くと、今回は全体的に日本未訪問の回答者が多く、中国・タイ・マレーシア・インドネシア・フィリピン・ベトナム・イギリスでは60%超となった。これにより、日本への好感度が高いフィリピンとインドネシアは、日本未訪問の層に対するアプローチが重要になってくる。

日本旅行を検討している人にいつ頃行きたいか、と聞くと「すぐに行きたい/すでに予定あり」がインドネシアで一番多く、49.5%に。次いでフィリピンの39.4%、インド31.9%、ベトナム28.0%、香港24.1%という結果になった。各国・地域の日本を「好き」「大好き」とした回答と、訪問意欲の高さは合致していることがわかる。

日本で訪れたい都市は調査対象の13の国・地域で「東京」がトップとなり、韓国は「大阪」だった。アジア圏で次に人気を集めるのは「大阪」「北海道」で、特に中国、台湾、タイ、シンガポール、マレーシアでは回答者の50%以上が「北海道」を選択している。

訪日の際に不安なことをと聞くと「店員との会話が通じない」「地震等の災害」という回答が多かった。特に災害への不安は、令和6年能登半島地震の影響で、2023年の調査に比べ若干であるが増加している国・地域が多い。

日本の観光地を探す情報源は、旅行系アプリの中で最もダウンロードされている「Google Map」がそれぞれの国・地域で2〜3割を占め、トップになった。2位は「検索エンジン」だった。しかし、SNS上での情報収集が含まれる「インフルエンサーの発信情報(SNS/動画/ブログ等)」「SNS(友人の投稿)」「SNS広告」の3項目の回答率を合計すると、1〜3位に入る国・地域も多く、若い世代を中心にSNSを情報収集源とする人が増えている。日本でのホテル検索の情報源やレストラン検索の情報源も同じく「Google Map」が最多となっている。


(図版出典:アウンコンサルティング株式会社)

 

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