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越境ECの日本商品ニーズを調査、円安で平均購入単価7.6%上昇。人気アイテムはフィギュア

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日本商品の海外での需要や消費トレンドを、越境EC支援事業を行うZenGroupグループが調査し、その結果を発表した。2023年10月から2024年9月にZenGroupを介して購入された商品データを分析したもので、人気アイテムや国、地域別出荷量など、最新動向が明らかとなった。

円安が追い風、人気アイテムではフィギュアがトップに

2022年10月から2023年9月の1年間で平均購入単価は7053円から7590円へと、7.6%上昇していることがわかった。これは、円安の影響により、海外の消費者が高価格の商品を購入する傾向が高まっているためと考えられている。今後、円安が進行する場合は、より平均購入単価を押し上げる可能性があると推測できる。

 

購入データを分析すると、海外から評価の高い日本のアニメや漫画、ゲームの関連商品が人気であることがわかった。販売アイテムのランキングでは、「プラスチックフィギュア」がトップとなり、「トレーディングカード」、「ぬいぐるみ」がそれに続く。「CD」「レコード」などの音楽商品もランクインしており、物理的な音楽メディアへの需要が依然として根強いことが窺える。

 

フィギュアのランキングを国別に詳細に見てみると、アメリカは「ポケモン」、フランスとメキシコは「ドラゴンボール」が1位だった。メキシコでは古いアニメキャラクター「聖闘士星矢」や「ガンダム」がランクインする一方で、フランスでは「鬼滅の刃」や「僕のヒーローアカデミア」など新しいアニメシリーズが人気だった。また、アメリカでは初音ミクなどのボーカロイド関連商品がランキング上位にランクインするなど、国ごとの特徴的な傾向が見られた。

世界で「ユーズドインジャパン」の人気が高まる

リユース目的で日本の中古品を求める海外消費者が増加している。世界的に持続可能な生活への関心が高まっていること、日本で物品が丁寧に扱われているという評判もあり、日本製ではなくとも「ユーズドインジャパン」として注目されている。2021年からの同期比を見ると、3年連続で中古品出荷の割合が増え続けていることからも、その人気が窺える。

国別出荷量ランキングでは、アメリカが18.2%でトップ。次いでメキシコ(9.8%)、ウクライナ(6.7%)と続く。2024年9月末時点で、175の国と地域に出荷点数171万点、出荷箱数35万個が出荷されており、日本製品の需要が高いことがわかる。

また、2023年10月から2024年9月の1年間の新規ユーザー登録は46万人を突破した。国、地域別で登録者数を見ると、アメリカが11.1%でトップ。次いでメキシコ(4.5%)、ポーランド(4.3%)、ブラジル(4.2%)、タイ(4.1%)と続く。そのほかに、サウジアラビアやトルコ、エジプトなどにも登録者がおり、世界の様々な地域から日本製品が求められていることがわかった。

言語別ユーザー数では、スペイン語圏が著しく伸びており、2022年10月〜2023年9月は全体の19.5%だったが、今年度は21.3%となった。スペイン語圏への出荷量は2年間で大幅な伸びを見せており、メキシコ133%、スペイン125%、そしてペルーが162%と、特にペルーでの成長が顕著であることも判明した。

対応決済方法では、Stripeが59.8%と最大シェアを占め、続いてPayPalが24.7%だった。Wiseや仮想通貨決済のCoinGateなどのシェアも増加傾向にある。特にドイツでは約31%がWiseを選択している。また、タイ語に対応したTazaPayを利用するユーザーが増えていることも今回の調査で明らかとなった。

 

▼経済産業省発表の越境ECについての調査はこちら
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