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2024年のベスト・ツーリズム・ビレッジ発表、55地域認定。日本は鹿児島と山形の2地域が選出-UN Tourism

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UN Tourism(世界観光機関)が推進するベスト・ツーリズム・ビレッジでは、人口1万5000人以下の地域を対象に、持続可能な開発目標(SDGs)に沿い、文化遺産の促進や保全、持続可能な開発に取り組む優秀な地方部の観光地を認定している。

2021年からスタートしたこの取り組みでは、2024年には、世界60カ国から260件を超える応募があり、55の地域が選出された。選出された地域は以下の通り。今年は、中国が最も多くの地域が認定され、計7カ所だった。

▶︎2024年ベストツーリズムビレッジの認定を受けた55地域一覧

日本からは鹿児島県の天城町と山形県の西川町の2地域が認定された。

天城町は、世界自然遺産に登録された貴重な生態系、伝統的な農業、スポーツイベント(トライアスロン大会)など、多様な魅力が特徴。特に、自然と文化を融合させた観光資源の開発や、地域住民との共生を重視した取り組みが評価された。サトウキビ、家畜、混作など伝統的で持続可能な農業が行われており、観光客も地元の習慣をリアルに体験できるような取り組みが進められている。

西川町は、出羽三山の一つ月山(がっさん)を中心とした信仰の歴史、雪を利用したユニークなアクティビティ、地元食材を使った料理、そして再生可能エネルギーへの取り組みなど、多岐にわたる分野で評価されている。再生可能エネルギー分野では、森林活用を進める木質バイオマス発電所整備の計画もされているという。また、地域住民との共生を重視した観光開発が特徴的。2030年までに年間100万人の観光客と3万人のイベント参加者の達成を目標とした総合的な観光アクションプランを推進しており、観光客と地元住民のつながりを育むことが目指されている。

なお、惜しくも認定されなかった地域に対しては、不足点を補うためのサポートが受けられるアップグレード・プログラムも用意されている。2024年には、世界中から20地域が選出され、日本からは新潟県長岡市の山古志地域と福井県越前市の白山(しらやま)地区が選ばれた。

なお、日本では、2023年までに、6地域(ニセコ町、美山町、美瑛町、奥松島地区、白馬村、白川村)が認定を受け、1地域(明日香村)がアップグレード・プログラム参加地域へ選出されている。

ベスト・ツーリズム・ビレッジに認定されると、国際的な認知度が向上し、観光客の誘致につながるだけでなく、UN Tourismのネットワークに参加することで、他の認定地域との交流や、海外企業との連携の機会も得られる。

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