インバウンドニュース
Booking.com「Traveller Review Awards 2026」発表、岐阜・高山が「居心地の良い都市」10選入り
2026.02.25
やまとごころ編集部オンライン宿泊予約サイト Booking.com はこのほど、14回目となる Traveller Review Awards 2026を発表した。本アワードは、Booking.com に寄せられた 3億7000万件以上の実際の利用者レビューを基に、ホスピタリティに優れたサービスを提供した宿泊施設・交通パートナーを称えるものだ。2026年の受賞対象は 221の国・地域で合計約181万件に上っている。
受賞基準は、2025年11月30日時点で、宿泊施設は3件以上、レンタカー会社は10件以上のレビューに基づき平均スコア8.0点(10点満点)以上であることが条件とされた。
世界221カ国・地域で約181万件受賞、日本の受賞施設数は前年比29%増
2026年版では 181万7848軒の宿泊施設のほか、1977社のレンタカー会社、137社の空港送迎サービスが受賞した。受賞数は前年比で増加傾向にあり、旅行の多様化とサービス品質向上がうかがえる。国別の受賞数を見ると、イタリア(約21万4000件)が9年連続で最多となり、フランス、スペイン、ドイツ、イギリスが続く。
また、受賞数で前年比との増加率が高い国にも注目が集まる。ブルガリアが前年比68%増で首位となり、韓国(46%増)、中国(39%増)が続いた。日本も前年比29%増と大きく伸ばし、ノルウェー(19%増)とともに増加率上位5カ国に入った。受賞数の拡大は、各国の宿泊事業者が高品質なゲスト体験の提供に注力していることを示している。
宿泊タイプ別ではキャンプ・ヴィラの受賞が前年比15%増、旅館も13%増と伸長
受賞した宿泊施設タイプ別にみると、アパートメントタイプが9年連続で最多受賞を維持し、次いで貸別荘(一棟貸しタイプ)、ホテルが続いた。
一方で、前年比で最も増加率が高かったのはキャンプサイトとヴィラで、いずれも前年比15%増と大きく伸長した。さらに、日本の旅館も前年比13%増と顕著な増加を示している。これらの伸びは、その土地ならではの魅力を体験できるユニークな滞在への関心が高まっていることを示すものだ。特に旅館の増加は、日本型ホスピタリティに対する国際的評価の高まりを裏付けている。
「最も居心地の良い都市」10選を発表、日本からは高山が選出
評価対象となった各都市・地域の宿泊施設総数に対する「Traveller Review Awards 2026」受賞施設数の割合を基に、かつ受賞施設数が平均以上(都市・地域ごとに200施設以上)であること、さらに地理的分布も考慮した上で、世界で旅行者が居心地の良さを感じる都市(Most Welcoming Cities)として次の10都市が選出された。
モンテプルチャーノ(イタリア)
トスカーナ南部の丘の上に広がる中世の街。美しい石畳の街並みとブドウ畑、世界的に有名なワイン「ヴィーノ・ノービレ」で知られ、歴史・美食・景観が魅力の観光地。
マゴン(台湾)
台湾本島の西に浮かぶ澎湖(ポンフー)諸島の中心都市。海に囲まれた街で、伝統的な寺院、屋台文化、新鮮な海の幸などが楽しめる島の風情ある港町。
サン・マルティン・デ・ロス・アンデス(アルゼンチン)
パタゴニア地方の湖畔と山々に囲まれた自然豊かな町。アウトドアアクティビティが盛んで、冬はスキー、夏はハイキングや湖畔散策など大自然を満喫できる。
ハロゲート(イギリス)
イギリス北部ヨークシャーの歴史ある温泉保養地。ヴィクトリア朝時代の建築や庭園、伝統的なティールームが点在し、ゆったりとした時間を過ごせる保養地として人気。
フレデリックスバーグ(アメリカ)
テキサス州ヒルカントリーにある小さな町で、19世紀にドイツ移民が築いた歴史が息づく。ワイナリー巡りや歴史地区散策、郷土料理などが楽しめる温かい雰囲気の街。
ピレノポリス(ブラジル)
中央ブラジル(ゴイアス州)の歴史的な街。植民地時代の石畳の街並みやバロック教会が残り、周辺には多数の滝や自然トレイルがあり、文化と自然体験が融合した旅行先。
スワコプムント(ナミビア)
大西洋沿いの港町で、砂漠と海が同時に体験できるユニークなロケーション。砂丘でのアクティビティや歴史的建築、海辺のカフェなどが楽しめる南部アフリカの人気観光地。
高山(日本)
飛騨地方(岐阜県)の山間に位置する伝統的な城下町。江戸期の町並みが残る「三町筋」、朝市、地元の郷土料理や酒蔵巡りが人気。日本の伝統文化と自然美が感じられる街。
ヌーサ・ヘッズ(オーストラリア)
オーストラリア東海岸(サンシャインコースト)のビーチリゾート。サーフィンや国立公園のトレイル、野生動物観察など、海と自然を満喫できるリラックスした観光地。
クライペダ(リトアニア)
バルト海沿いの港町で、旧市街や沿岸の散策が楽しめる。ユネスコ世界遺産のクルシュー砂州への玄関口としても人気があり、歴史、海景、文化体験がそろう北欧風の街。
日本からは岐阜の高山市がランク入りしており、伝統的な町並みと丁寧なおもてなし文化が世界の旅行者から支持されている。
また同市では近年、古い町並み周辺の混雑緩和に向けて奥飛騨温泉郷など山岳エリアへの分散化を進めるほか、歴史的町家の宿泊施設への活用促進、AI翻訳や観光データの活用によるスマートツーリズムの推進にも取り組んでいる。体験の高付加価値化と滞在延長を軸に、持続可能な国際観光都市としての成熟を図っている点も評価の背景にあるとみられる。
日本版「最も居心地の良い都市」10選、自然・温泉・富士山周辺がランクイン
Booking.com Japanは、「Traveller Review Awards 2026」にあわせ、2026年の「日本で最も居心地の良い都市」10選を発表した。各都市の受賞施設数の割合を基に選出されたもので、同宿泊施設数が50軒以上ある都市が対象となっている。
今回選ばれたのは、以下の10都市。
・高山市(岐阜県)
・屋久島(鹿児島県)
・奄美市(鹿児島県)
・読谷村(沖縄県)
・野沢温泉村(長野県)
・富士吉田市(山梨県)
・北谷町(沖縄県)
・富士河口湖町(山梨県)
・ニセコ町(北海道)
・由布市(大分県)
世界自然遺産の屋久島や奄美、温泉地の野沢温泉村や由布市、富士山周辺エリア、沖縄や北海道のリゾート地など、全国に広がる顔ぶれとなった。
野沢温泉村や由布市など2025年に続き選出された都市に加え、新たにランクインした地域も含まれており、自然資源や温泉、地域文化といった“その土地ならでは”の体験価値が、旅行者の居心地の良さにつながっていることがうかがえる。地方分散型の観光や体験重視型滞在への関心が、国内旅行市場においても継続していることを示す結果といえる。
【編集部コメント】
“快適さ”をどう地域資源に昇華するか
221カ国・地域の約181万件が受賞する中で、高山市が「最も居心地の良い都市」に選出された意義は大きい。日本の受賞数が前年比29%増となったことも含め、背景には現場における地道な品質向上の積み重ねがあると考えられる。また、旅館やキャンプなど「その土地ならでは」の滞在形態が伸びている点も注目したい。旅行者は何に心地よさを感じたのか、その要素を言語化・可視化できているだろうか。今回の評価を一過性の話題に終わらせず指標を地域KPIとどうつなげるか、他地域との比較も交えながら、次の一手を検討する材料としたい。
(出典:Booking.com Traveller Review Awards 2026、Booking.com 2026年の「日本で最も居心地の良い都市」10選)
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