インバウンド特集レポート
OTERA STAYで特別な感動体験を外国人旅行者に提供!
お寺や神社に滞在する、泊まれるというプロジェクトが進んでいる。それが、「OTERA STAY」だ。社寺体験は、外国人にとって最高の日本体験になるという想いで始まったプロジェクトだ。
この「OTERA STAY」というプロジェクトを立ち上げたのは、株式会社シェアウィング代表取締役シェア社長の佐藤真衣さん。きっかけについてうかがうと、たまたま知人に町田のお寺の方がいたのが大きいという。何度か誘われてそのお寺に遊びに行ったが、広い庭、広い畳の本堂、明るい縁側が心地良かった。またお坊さんとの語らいなど、普段の生活では得られない時間に感動したのだ。
それを外国人にも提供したら、お寺を通して日本文化の理解が深まり、今後リピーターになる、または口コミで他の人に広まる可能性が高いと考えた。
ところで、宿坊は、簡易宿泊所の登録が必要だが、こちらは民泊という扱いで、外国人観光客に泊まってもらおうというもの。
シェア社長がもう一人いて、10年以上の付き合いのある友人だ。お互いの気心がわかっているので、わずか1カ月で事業プランが立ち上がり、2016年6月にスタートした。全国の観光地にあるお寺との提携を目指している。
課題として、お寺との提携が想定以上に時間がかかることがわかってきた。それは、住職だけの判断では決まらず檀家の代表者等、決定権者が多いからだ。
まずは年内に3、4か所程度から進めたいと考えている。
2通りの販売チャネルを想定していて、一つは、大手旅行会社を通した販売、もう一つは、airbnbという世界の民泊サイトに登録した販売だ。いずれも窓口対応を担う。
提携が30件を超えると、一気に促進すると見ていて、来年、ブレークする可能性が高い。宿泊形態の新しいスタイルとして、今後の展開に目を離せない。
サイトはこちら
http://oterastay.com/
大森の山王エリアに宿泊もできる隠れ家風「座禅道場」がオープン
外国人向けに禅を体験できる施設が大森にこの10月に完成する予定だ。そこは、そのまま宿泊もできるというのだ。(事前予約により40名まで可能)
そのプロジェクトに参画しているのが、株式会社ZenLifeの前田観慧さんだ。
前田さんによると、海外では”ZEN”は、心身の調和を目的として欧米でも人気を高めている。仏教学者である、鈴木大拙氏が禅についての教えを英語で著し海外に広まったことがきっかけにより、最近ではアップルコンピュータの創業者、故スティーブ・ジョブズ氏が影響を受け、参禅し、商品開発のヒントになったということで注目が高まった。現在でもシリコンバレーのIT技術者の関心が高い。
ZENについて、欧米ではシンプルな考え方だと解釈されていて、クールというニュアンスが含まれている。精神性に関わる言葉だ。
ZENは、宗教ではなく、心身を癒すメディテーション(瞑想)という発想から、欧米では受け入れやすい環境なのではと前田さん。似たようなマインドフルネスというリラクゼーションの方法が人気となっていて、それは呼吸に意識することで、心の内側を見つめるというものだ。
つまり、心と体の調和を目指すメソッドとしてZENにも関心があるのだろう。
だから宗教にこだわらない道場として、大森の建物は、誰もが禅を体験できる施設となっている。
座禅体験の冒頭に、前田さんが制作したDVDを見てもらう予定だ。
座禅の作法と効用が解説され、わかりやすい映像と英語での説明が加わっている。短い時間でいかに禅の意味していることを感じてもらえるかに苦心したという。
その映像では、心のありようは、思い方で変わると説明。
泥水を心の迷いの状態と例えており、泥水は、泥と水をかき混ぜている状態で、混ぜるのを止めると水と泥に分かれていく。つまり、立ち止まることによって見えないものが見えてくるという。
禅で重要なのは、感じてもらうこと。
座禅は、自然の“あるがまま”の姿を感じ、自分と向き合うことにより、心が自然と調っていくのです。まずは、一度立ち止まり感じること。
日本は移り変わる四季のあるがままの自然と共生し、暮らしの中に禅的思考があった。
だから道場は、都会にあっても、自然を感じられるつくりになっているのだろう。ここでは、座禅のほか、禅食、茶道、書道、禅ヨガといった禅に関わるいろいろな体験ができる。まさに禅リトリートの道場を目指す。
日本ならではの和の心を感じてもらいたいと抱負を語る。
宿の形態に関わらず、禅の体験にフォーカスした新しい取り組みだ。日本文化の体験と共に心を養う禅の精神性というものに、外国人も参加しやすいかいもしれない。
今後の展開が楽しみだ。
以上のいくつかの事例のように、お寺、または仏教に関連した宿が増えていく様相だが、エキゾチックな体験を外国人に提供できるのではないだろうか。
Text:此松武彦
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