インバウンドコラム
日本政府は4月1日の国家安全保障会議で、外国人の入国拒否の対象を大幅に拡大することを決めた。
水際対策強化のため、これまでは一部地域からのみ入国を禁じていた中国と韓国の全土が対象となり、新たにアメリカ、台湾、イギリスなどEU以外のヨーロッパのほぼ全域、インドネシアやタイなど東南アジアの7カ国、南米やアフリカ、中東の一部を含めた49の国と地域が加わる。これにより日本への入国拒否の対象国は合計で73カ国・地域に拡大。過去14日間に、これらの地域にいた外国人は日本に入れなくなる。なお、「特別永住者」については、入国拒否対象ではない。
「永住者」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」又は「定住者」の在留資格を持っている外国人についても、これらの地域に出国した場合は、原則として日本への再入国を認めないことも決めた。これらの地域から帰国する日本人には、PCR検査を空港にて行う。
さらに、入国拒否の対象とならなかった国・地域からの外国人に対しても、4月2日までに発給した一次、数次ビザの効力停止、ビザ免除措置の停止、およびAPEC・ビジネス・トラベル・カード所持者へのビザ免除措置を停止を決めた。
これらの地域から渡航する必要がある場合は、事前にそれぞれの国の日本大使館や総領事館でビザを申請し認められれば、渡航することはできる。しかし状況によって、ビザを持っていても日本で入国が認められないこともあり得るという。
また、日本人を含む、すべての入国者に対して、自宅やホテルなどでの指定された場所での14日間の待機に加え、公共交通機関の利用自粛も要請する。いずれも4月3日0時よりスタートされた措置により、外国人の日本への入国が大幅に制限されることとなる。
外国人の入国を禁じる国が増えていく中で、これまで水際対策がゆるいと言われていた日本も、ついに強硬派へと大きく舵を切ったこととなる。
(執筆:やまとごころ編集部・外島美紀子)
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【新型コロナ:各国入国規制まとめ 】
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