インバウンドコラム

【コロナ:世界の動き】東京都、警戒レベル「最も深刻」へ。フランス累計感染者数、欧州最多。アメリカ、過去最多の入院患者数

2020.11.18

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依然、収束の兆しのない新型コロナウイルス。再拡大が進む中、欧州やアメリカでは次々と規制強化策が講じられ、欧州では再び全土でロックダウンを導入する国もあるなど、深刻さを増している。欧州疾病予防管理センター(ECDC)の発表によると、EUと英国の計27カ国の7日平均の新規感染者はやや減少しており、これには厳格な規制が奏功したとの見方もある。一方、17日には入院患者数が過去最多を記録したアメリカは地域ごとに規制のばらつきが見られ、感染拡大に歯止めがかからない状況となっているようだ。東京都も警戒レベルを最高段階に引き上げる方向だ。そんな中、南アフリカはすべての国との往来を解禁させた。

 

東京都、警戒レベル最高段階に引き上げへ

東京都は新規感染者の増加を受け、感染状況の警戒レベルを4段階の指標で最も高い警戒レベルの「感染が拡大している」に引き上げる方向で最終調整に入った。19日に開かれる都幹部や専門家らによる「モニタリング会議」で発表する。東京都内の新規感染者は300人を超える日が先週だけでも4日あり、18日には493人が確認され、8月1日の472人を超え1日あたりの新規感染者数として過去最多となった。

一方、17日の時点の重症の患者は42人となっていることなどから、医療提供体制については、上から2番目の警戒レベルのままに据え置く。このような状況から都内の飲食店などへの営業時間の短縮要請が必要かについては、慎重に判断するとしている。

新型コロナウイルスの感染者が急増している北海道では、17日から27日まで、札幌市内で不要不急の外出を控えることや、札幌市と道内のほかの地域との行き来を控えるよう要請している。

また飲食業界の支援策「Go To イート」について政府は、5人以上の飲食は対象外とするなどの見直しを検討するよう都道府県知事に求めている。

 

フランス、累計感染者数が200万人を突破、欧州最多

フランスでは17日、欧州で初めて累計200万人を超えて欧州・ロシア地域で最多となった。米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によると、米国、インド、ブラジルに次ぐ世界第4位だ。フランスでは感染再拡大を受け、10月30日から12月1日までの約1カ月間、全土でロックダウンを実施している。ロックダウン後の11月7日に1日当たり新規感染者数が過去最多の約8万7000人を記録したが、その後は大幅に減少している。

 

イタリア、新型コロナの死亡率が欧州で最も高い4.18%

イタリアでは11日、新型コロナウイルスの累計感染者数が100万人を突破した。13日には4万902人の新規感染者が確認され、過去最多となった。欧州ではフランス、ロシア、スペイン、英国に次いで感染者が多く、世界では10番目に多い。イタリアの累計死者数は4万4000人を超え、欧州ではイギリスに次いで2番目に多く、死亡率は4.18%と欧州最高となっている。

 

オーストリア、17日から再び全土ロックダウン

新型コロナウイルスの感染者が再び急増しいるオーストリアは14日、17日から3週間のロックダウンに入る。早い段階で感染拡大を抑制し、医療体制の崩壊を防ぐことで、クリスマス前には店舗の営業を再開させたい考えた。

 

ドイツ、ロックダウンの厳格化は先送り

ドイツで17日に確認された新たな感染者は1万4419人、死者は267人。集中治療室に入っている重症患者数は10月初めの360人強から3300人以上に増えている。感染は首都ベルリンなど数カ所を中心に拡大しており、メルケル首相は同日、「新型コロナウイルス感染拡大が抑制されていないことを極めて憂慮している」とコメントした。

現在、ドイツでは11月2日から1カ月間、全国の飲食店や劇場を閉鎖、小売店の営業や、学校や保育園への通学・通園は認める部分的なロックダウン措置がとられている。さらに厳格化したロックダウン(都市封鎖)や今月末が期限とされている制限措置を延長すべきかの判断は、25日まで先送された。

ドイツのアルトマイヤー経済相は、ビルト紙日曜版の取材に対して、「同国の新型コロナウイルス対策措置が少なくともあと4~5か月は続く恐れがあると覚悟する必要がある」と述べた。

 

スウェーデン、独自路線を一転、行動規制を強化

これまでロックダウンをしない路線をとってきたスウェーデンのローベン首相は16日、新たな規制を発出。感染抑止策の強化に乗り出した。9人以上の集会を禁止すると発表、ジムや図書館通い、外食、パーティーなどを全て中止することを国民に求めた。

スウェーデンでは、これまで他の欧州諸国に比べ穏やかな規制にとどめ、全土のロックダウン(都市封鎖)を避けてきた。春の第1波の際も50人までの集会は認めていた。しかし、9月上旬には100人台だった1日の新規感染者は10月末ごろから急増。直近の1週間平均は4000人を超えている。

しかし、ロベーン首相は、都市封鎖導入は不要だとの考えを改めて表明。政府の「要請」や「勧告」に従わない人が増えていることで、厳しい「禁止措置」導入の背景を説明した。

 

アメリカ、感染の勢い衰えず過去最多の感染者数、入院患者数

新型コロナウイルスの感染が再拡大しているアメリカでは16日感染者数が1111万人を超え、死者数は24万6000人超になった。1日あたりの新規感染者数も13日には18万1196人に達し、過去最多を更新。17日には、入院患者数も7万3140人とこれまででもっとも多くなっている。ロイターによると、過去14日間で約46%の増加だという。

感染者はアメリカ各地で増加しており、南部テキサス州では医師と看護師の不足を補うために米軍の医療チームが派遣されたほか、仮設テントの設置が進められている。一時は感染抑制に成功していたニューヨーク州でも再び感染者が急増しており、同州のクオモ知事は11日に新たな規制を導入すると発表。13日から酒類を提供するレストランやバー、スポーツジムに対し、午後10時までに閉店するよう命じた。屋内での私的な会合についても10人以下に制限した。

テキサス州に続いて累計感染者が100万人を超えたカリフォルニア州でも、入州者に対する14日間の自主隔離を要請している。また、イリノイ州シカゴ市は、市民に対して11月16日から30日間の外出自粛を要請する。ノースダコタ州は、公共の場でのマスク着用を義務化。ミシガン州とワシントン州ではレストランでの屋内サービスを18日から3週間禁止する。

一方、自粛疲れで規制に対する反感も強まっている。外出自粛を要請された場合、それを「守る可能性が高い」と答えた人の比率は3月下旬の67%から、10月中旬には49%に低下していることが、米調査会社ギャラップによる世論調査からも明らかになっている。

 

キーウエスト市、大型クルーズ船の入港認めない住民投票

コロナ禍を機に、オーバーツーリズムに対する対応の見直しを進めている地域もある。フロリダ州の人気観光地でクルーズ寄港地になっているキーウェスト市では大型クルーズ船の入港を認めない入港規制強化の法律が成立した。これにより、クルーズ客数を1日1500人までに制限し、定員1300人以上のクルーズ船は入港を認めず、環境施策に取り組む船社を優先させることが決定した。パンデミック以前、人口約2万5000人の港町キーウェスト市には年間100万人ものクルーズ船客が来訪しており、港湾の海洋環境と住民の健康を悪化させているとの声が上がっていた。

 

南アフリカ、全世界からの渡航者を受け入れ

南アフリカのラマポーザ大統領は11日、新型コロナウイルスの影響で打撃を受けた観光業や接客業を後押しする措置の一環として、すべての国との往来を解禁すると発表した。ただし、入国には新型コロナウイルスの陰性証明書の提示が条件となる。一方で、9月にロックダウンを緩和して以来、同国での感染者は増加傾向にあり、累計感染者数は74万人とアフリカで最多。死者は2万人を超えている。

 

オーストラリア、自国民を優先的に受け入れる方針

オーストラリアのモリソン首相は13日、留学目的で同国に滞在していた外国人留学生への入国制限の解除を先送りし、海外から帰国する自国民の受け入れを優先する方針を明らかにした。豪政府は現在、1週間あたりの帰国人数に上限を設けており、帰国後は2週間ホテルで隔離している。しかし、多くの自国民が帰国を希望していることを受け、隔離施設が不足していることを指摘。2021年から徐々に留学生の再入国を受け入れる方向で検討していたが、今後の見通しが立っていない。オーストラリアの累計感染者数は2万7725人で、死者は907人と他の主要国に比べて感染が抑制されている。

 

やまとごころでは、重点20市場における入国規制の状況を一覧にまとめています。
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各国・地域の入国規制まとめ

 

 

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