インバウンドコラム
外国人の新規入国、全面的に停止に
日本政府は13日、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため大阪、兵庫、京都、愛知、岐阜、福岡、栃木の7府県に緊急事態宣言を発令。水際対策強化として、11の国と地域からビジネス目的の新規入国を一時停止することも発表した。14日から停止し、期間は緊急事態宣言が解除されるまでの2月7日までとしている。すでに査証(ビザ)を発給済みの人については、21日午前0時まで入国を認める。
菅首相は「あらゆるリスクを予防的に取り除くため、ビジネストラック、レジデンストラックは宣言が発令されている間、一時停止する」と発言した。
政府は12月28日より外国人の入国緩和策を1月末まで停止したものの、中国や韓国など11カ国・地域と合意したビジネス往来などの枠組みによる入国は例外として、短期滞在の出張者が対象となる「ビジネストラック」、企業の駐在員などの中長期滞在者の「レジデンストラック」のスキームでの入国は許可。ただし、感染力の強い変異種が発見された国はビジネス往来も即時停止するとしていた。
水際対策を強化させるために政府は13日から、日本人、外国人を問わず全ての入国者を対象に、出国前72時間以内に実施した陰性を確認した証明書を求める新たな対応を始めたばかりだった。今回の決定により、外国人の新規入国は全面的に停止されることとなる。
日本人や再入国する在留資格のある外国人の入国は認められるが、帰国後2週間の自宅待機や公共交通機関の不使用などについて誓約させるなどの水際対策強化も同時に発表された。
中国、年末年始は“近場”で過ごす旅行が人気
中国では北京市などの一部地域で新型コロナウイルスの感染が再拡大していることから、今年の年末年始には近場の旅行に人気が集中した。特に列車で1時間以内の場所を訪れる人が多く、列車のチケットが良く売れているという。しかし新型コロナウイルスによる通年での打撃は大きく、中国の国鉄「中国鉄路」の発表によると、2020年の旅客数は延べ21億6000万人となり、前年比39.5%減少したという。
新規感染者増加の河北省、市民全員にPCR検査と地下鉄の運行停止
中国国家衛生健康委員会によると、同国における9日の新規感染者は69人で、前日の33人から倍以上に増加した。69人のうち21人は国外での感染によるもので、残りの48人の大半は北京市に隣接する河北省で確認された。河北省の省都で人口約1000万人規模の石家荘市は、感染拡大防止のため、市民全員に対するPCR検査の実施や自宅待機措置を講じているほか、地下鉄の運行を停止している。
アリババと熊本県が連携し、アフターコロナを見据えPR活動
中国の電子商取引最大手アリババグループは1月に熊本県と連携協定を結ぶ方向で調整を進めている。熊本県は新型コロナウイルス収束後を見据えて、中国人観光客の誘致や県産品の販路拡大を目指す。アリババグループと連携することで、熊本を目的とした旅行商品の販売や県内観光地のPRも進めていく考えだ。
香港、春節1カ月前に早くも本土への帰省ラッシュ
香港では春節を前に、隣接する深センを経由して中国本土に帰省する旅客が増加している。深セン当局が12月29日、1月5日から入国者に検疫ホテルの事前予約を義務付けると発表して以来、深セン湾出入境管理所を経由して本土へ向かう旅客が急増。この措置が発表されてからわずか4日間で1万人以上の旅客がこのルートで香港から出境しているという。
すべての香港市民を対象とした、ワクチン接種開始へ
香港では最短で2月から全市民を対象にワクチン接種を開始する。香港当局は合計で2250万本のワクチンを調達しており、年内には香港市民全員に提供できるよう手配を進めている。
世界各国でワクチン接種が開始されるなか、各国でワクチン接種記録をアップロードできる「ワクチンパスポート」のアプリやシステムが相次いで開発されている。ジュネーブ拠点の非営利団体コモンズプロジェクトと世界経済フォーラムは、香港のキャセイパシフィック航空をはじめ、多くの航空各社などと提携してアプリを開発。このアプリでは、新型コロナウイルスの検査結果やワクチンの接種証明書などを記録することができるという。
マカオ、大晦日のインバウンド客が過去11カ月間で最多
マカオ政府観光局は1月5日、大晦日から1月3日までの4日間のインバンド旅客数とホテルの統計を発表した。これによると、4日間の平均インバウンド旅客数は2万1242人で、このうち中国本土からの旅客が92.4%を占めた。12月31日のインバウンド旅客数は3万747人で、コロナ禍に見舞われた直近11カ月で最多を記録した。ホテルの客室稼働率は67.2%で、10月から12月までの稼働率を大幅に上回った。マカオと中国本土では新型コロナウイルスの流行が抑制されており、両地間の往来制限は緩和が続いている。
台湾、 元旦から外国人の入国規制を強化
台湾の中央感染症指揮センターは、各国における新型コロナウイルスの感染状況が深刻化していることを受け、1月1日より外国人の入国と検疫に関する規定を厳しくしている。ただし、以下のいずれかの条件に該当する場合は特別に入国が許可される。
(1)居留証を保持している
(2)訪台目的が「外交公務」「商務履約」「人道的な理由」のいずれかである
(3)台湾人の配偶者とその未成年の子女
(4)その他、特別に入国が許可された者
水際対策の強化策として、低リスク、中低リスク国・地域から台湾に入境する短期滞在のビジネス客に対しても、1月1日より検疫期間の短縮および新規申請受付を一時停止した。台湾では昨年末、英国からの帰台者の中に新型コロナウイルス変異種に感染した事例が確認されている。
1月15日からは、搭乗3日以内に行ったPCR検査の陰性証明書に加え、入国後の自主隔離場所に関する証明書の提出が必要となる。自主隔離は集中検疫施設もしくは防疫ホテルの利用が原則となるが、自宅で自主隔離する際は1戸につき1人での生活が条件となる。また、2月の春節連休を前に帰台者が急増していることを受け、防疫ホテルの予約受付(11日〜28日チェックイン分)は台湾市民に限定するという。
中央感染症指揮センターはさらに、航空会社の乗務員に対しても検疫を強化すると発表。帰国後の在宅検疫の期間を7日間に延長するのに加え、検疫終了後にPCR検査を受けて陰性だった場合にのみ外出が認められる。
韓国、外国人の入国管理を強化
韓国の保健当局は、イギリスで猛威を振るっている新型コロナウイルス変異種に感染した事例が確認されたことを受け、入国者の管理強化を検討している。現行の規制では、イギリスや南アフリカなど、高リスク国からの入国者に対してのみ入国時と隔離解除前に計2回の検査を義務付けているが、その対象をすべての入国者に拡大するという案が浮上。ただし、入国禁止措置については否定的で「従来の入国管理手続きで外国からの入国者は十分管理されている」との見解を示した。
ベトナム、変異種流行地域からの入国停止を提案
ベトナムの保健省は、英国で急速に拡大している新型コロナウイルスの変異種が同国で初めて確認されたことを受け、新型コロナウイルスの変異種が流行している国からの入国を一時停止することを政府に提案した。ベトナム国内の新型コロナウイルス感染者は累計で1515人(1月12日時点)、死者数は35人にとどまっている。
タイ、感染拡大で政府が外出自粛を呼びかけ
タイのプラユット首相は4日、新型コロナウイルスの新規感染者数が過去最多の745人を記録したことを受け、ロックダウンを回避するために国民に自宅にとどまるよう呼びかけた。タイ保健省によると、年末年始の5日間(12月30日から1月3日まで)で1215人の感染が確認されている。先月バンコクに隣接するサムットサーコーン県の海鮮市場でクラスターが起きて以来、感染が拡大しており、特別警戒ゾーンの28都県を対象に、学校の休校や、娯楽施設の営業禁止、集会の禁止といった措置が講じられている。
タイの累計感染者数は1万991人で、死者数は67人(日本時間1月14日時点)。12月28日には約2カ月ぶりに新型コロナウイルスによる死者が確認されたが、現在のところは他国に比べて低水準にとどまっている。
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