インバウンドコラム
香港では9月26日以降、強制隔離措置が撤廃され、3日間の強制隔離と4日間の健康観察期間を義務付ける「3+4」から、3日間の健康観察のみの「0+3」へと変更された。その後も、11月上旬に開催された国際金融サミットや香港セブンズ(7人制ラグビーの大会)といった国際イベントを機に、さらなる入境規制の緩和を進めている。今回はこうした規制緩和後の香港の動きを紹介する。
香港政府、入境規制をさらに緩和。入境後のPCR検査は4回から2回に
香港政府は11月より、新型コロナウイルス対策の入境規制をさらに緩和している。11月21日には、入境後4日目と6日目のPCR検査を撤廃。これまでは、空港到着時 (0日目)、2日目、4日目、6日目の合計4回のPCR検査を義務付けてきたが、この日を境に合計2回となった。ただし、入境後7日目までは、迅速抗原検査(RAT検査)を毎日行う必要がある。団体旅行の入境者は、滞在期間が3日以内であれば入境後2日目のPCR検査が免除されるほか、中国本土とマカオからの入境者に対しては、2日目に1回のPCR検査のみが求められる。
今年10月の香港訪問者、前月比22%増。ツアー客の飲食店利用を条件付きで許可
香港政府観光局(HKTB)の発表によると、2022年10月の香港訪問者数は8万524人で、9月の6万6037人から22%増加した。このうち、海外からの訪問者数は3万2886人で9月から123%増、中国本土からの訪問者数は4万7658人で9月から7%減となった。今年1月から10月までの訪問者数は33万223人となっている。HKTBによると、訪問者の多くは乗り継ぎによる宿泊や出張、家族の訪問といった目的で香港を訪れている。また、9月末から「0+3」に隔離期間を短縮した影響で海外からの訪問者が増加しているが、観光目的での訪問は少ないと分析している。
一方、香港政府は11月18日より、ツアー客に対して飲食店の利用制限を緩和した。以前は入境後3日間の健康観察期間中はワクチンパスで「黄色」のQRコードが表示され、飲食店などに立ち入ることができなかった。しかし、今回の緩和措置により、観光ガイドが同行するなどの条件付きで飲食店の利用が可能となった。また、11月17日からは、入境後3日間の健康観察期間中は入場不可だったテーマパーク、博物館、寺院などへの入場が解禁された。
香港国際空港の旅客数、75万5000人で前年同期比の約4.5倍
香港空港管理局 (AAHK)は11月11日、香港国際空港の2022年10月の旅客数が75万5000人に達し、前年同期比447.9%に急増したと発表した。コロナ禍前の水準の約13%まで回復した。また、キャセイパシフィック航空と香港エクスプレス航空を運営する香港のキャセイパシフィックグループは、2023年末までに、コロナ禍前の70%の運航規模に回復させる計画であることを明らかにした。2024年末にはコロナ禍前の水準まで回復させる目標を掲げている。
香港と日本の航空会社は増便、再開ラッシュ
日本のインバウンド本格再開と香港の規制緩和を受けて、香港と日本を結ぶ航空路線の再開、増便も続々と進んでいる。キャセイパシフィック航空は、11月以降「香港ー関西」線を週14往復に増便し、「香港ー羽田」線を週7往復から週14往復に増便する。12月1日から「香港ー札幌」線を週4往復で再開するほか、12月16日から「香港ー福岡」線、2023年1月1日から「香港ー中部」線も再開する。
JAL は12月より、「羽田ー香港」線と、「成田ー香港」線を増便すると発表した。現行の週5往復から、週7往復となる。また、ANAは11月20日から「羽田ー香港」線を週4往復から週7往復に増便した。LCCのピーチ・アビエーションは「関西ー香港」線を2023年1月に再開すると発表している。
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