インバウンドコラム

オーストラリア人の5人に1人はタトゥーをしている!? タトゥーがあっても入れる100の温泉リストを作った大分県に賞賛の声

2019.07.29

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上の娘がまだ高校生だった時のこと。家出をしたり、まあ、色々あったころ、彼女が私に言った。「お母さん、告白したいことがある」。何なのか。まさか、妊娠したというのではないだろうか?ドキドキしながら聞いていたら、実はタトゥーをしたというのだ。脚のくるぶしに近いところに漢字で「誠」と書いてあった。

彼女の話によれば、剣道の先輩が深刻な病になって、その彼の回復を祈ってタトゥーをしたのだという。内心困ったなと思いつつも、何とか靴下で隠せるので、「お父さんには見せないように」と言ってその場をしのいだ。あれから、もう20年以上経っているが、オーストラリアのタトゥーブームはますます盛んになっていく。数字的に言えば、オーストラリア人の5人に1人はタトゥーをしている。女性は、4人に1人が、少なくとも1つはタトゥーをしているらしい。オーストラリアでもかつては、こちらのギャング以外は、うちのぐれていた上の娘のように反抗的な若者のみがしていたのだが、現実はかなり異なってきている。36%の人が26歳、あるいはそれ以上の年齢で最初のタトゥーをして、20%は、なんと30歳以上でタトゥーをしているのだという。しかも、タトゥーをし始めると1つでは不足らしく(?)どんどんその数を増やしているらしい。

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今秋、ラグビーワールドカップ(RWC)2019がいよいよ日本で開催されるが、日本ではタトゥーをすると温泉には入れないというニュースも広がっていて、どうしたらいいのかという話がオーストラリアのメディアでも議論されている。最近の新聞記事に、トンガ出身のラグビープレーヤー、ファレ選手の話が載っていた。トンガ人やマオリ族は伝統的にタトゥーをしている。しかし、日本の温泉はそれを拒否していたので、本当に困ったという話であるが、同時にその記事では、大分県が率先して、タトゥーがあっても入れるタトゥー・フレンドリーな100の温泉のリストを作ったという話もしている。

日本では「YAKUZA」がタトゥーをしていたから、それを拒否するというのはわかるが、世界にはそのタトゥーが、その国やその人種の伝統的な習慣であり、犯罪と関わるものではないということを大分県が認知したという賞賛であった。シドニーでは「Tatoo Expo」が開催され、しかも、今シドニーで最もポピュラーなタトゥーショップは「リトルトーキョー」という名前の店だ。日本にタトゥーをしに行きたいという人も多数いるという。もし日本が、オーストラリア人に来てもらい、日本の温泉を楽しんでもらおうとすれば、タトゥーを認めることは必要不可欠になってきた。

さて、実は20年前の上の娘の話にはオチがある。下の娘は現在ジュエリーデザイナーであるが、その彼女のフィアンセは、繁盛している造園ビジネスを最近やめて、タトゥーアーティストになってしまった(汗)。造園よりもっと繁盛しているというので、なんといっていいか言葉がない。一緒に食事をするときには、私も主人も彼らのタトゥーを見ないようにしている。喧嘩せずにいるためには、それしかないのではないのだろうか?タトゥーを認めるか認めないか。それは、善悪の問題ではなく、ビジネスとしての決断になってくる。

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