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訪日客の関心が「食」や「スキンケア」に変化 2025年春節期間 大阪の人気商品ランキング

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訪日外国人向けショッピングサポートアプリを提供する株式会社Paykeは、春節(旧正月)期間を含む2025年1月1日〜2月28日に大阪エリアで取得したスキャンデータをもとに、「店頭注目商品ランキング」TOP10を国籍・地域別に発表した。

スキャン数は訪日客が実際に手に取って商品情報を確認した回数を示しており、検索データとは異なる“リアルな購買関心”の傾向が浮き彫りとなる。今回は韓国、台湾、香港、中国の4市場に加え、全体ランキングを比較分析している。

総合ランキング、安定人気の医薬品とスキンケア商品が中心

全体のランキングでは美容パック「クオリティファースト ダーマレーザー スーパーVC100マスク」が1位に。スキンケア商品の中でも高機能シリーズとして、複数国籍の訪日客から高い関心を集めた。2位には風邪薬「パブロンゴールドA微粒44包」がランクイン。市場別のTOP3にはいずれも入っていないにもかかわらず、国境を越えて支持を集めていることがうかがえる。

ランキング全体としては、マスクや目元クリームなどのスキンケア商品が多く、続いて医薬品、食品の順に並ぶ傾向が見られた。

医薬品離れ進む韓国、食品やスキンケアが上位に浮上

韓国市場では、前年1位だった「イブクイック頭痛薬」がランク外となった。韓国関税庁が「イブ」シリーズの持ち込み禁止の発表したことを受けて、今後韓国市場での影響力を失っていくことが予測される。

1位にランクインしたのは「ジャージー牛乳プリン ミルク」。韓国での販売も始まったこの商品は、SNSを中心に話題となっている。ランキングには「ソントン シュガートースト」も入るなど、食品がTOP10に含まれるのは韓国のみであった。

また、「毛穴撫子 お米のマスク」「すっぴんパウダー」などのコスメ商品も上位に位置し、韓国訪日客の関心が医薬品からスキンケアや食品へと広がっていることが明確になった。

シリーズ展開のある高機能スキンケアが高評価の台湾

台湾では、「クオリティファースト ダーマレーザー」シリーズが圧倒的な存在感を見せ、TOP10中5商品を占めた。1位の「スーパーVC100マスク」を筆頭に、「ホワイトマスク」「レチノール100・レッド」など異なる機能性を持つバリエーションが人気を博した。

3位と4位には、前年はランクインしていなかった「ポッカサッポロ キレートレモン」シリーズが登場。美容や健康意識の高い層を中心に、新たなニーズを反映していると考えられる。

中華圏共通の人気傾向と独自ニーズが混在する香港

香港市場でも「クオリティファースト ダーマレーザー」シリーズが人気を集め、1位から4位までを占めた。一方で、「龍角散 ダイレクトスティック ピーチ味」が3位に入るなど、台湾と共通する言語圏の影響も見られた。

注目すべきは「メディクイックプロ軟膏 8g」が6位に入った点で、即効性のある皮膚治療アイテムへのニーズが香港市場に特有の関心として現れている。

スキンケアは多様なブランドと機能性を重視する中国

中国では、1位に「スーパーVC100マスク」、2位に「ホワイトマスク」と「クオリティファースト ダーマレーザー」シリーズが上位を占める一方で、「イハダ」薬用シリーズが複数ランクインするなど、他国とは異なる傾向がみられた。

特に、「ナイトパック」「クリアバーム」「フェイスプロテクトパウダー」などの異なる用途の製品がそれぞれランクインしており、スキンケアをシリーズ単位で選ぶ購買傾向が強くうかがえる。

市場ごとに異なる傾向、施策や販促への応用余地も

春節期間中のスキャンデータからは、訪日客の興味関心の変化が鮮明に読み取れる。医薬品の需要は市場によってばらつきがあり、韓国市場では規制により大きく減少した一方、中国や台湾では依然として一定の支持が見られた。

一方で、スキンケア商品の人気は全市場で高まっており、とくに機能性やシリーズ展開のある商品が支持を得ている。食品のランキング入りや、即効性・実用性重視の傾向など、市場ごとの特徴を踏まえた販促戦略への活用にもつながる。

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