インバウンドコラム
日本で良く聞く中国人が利用するSNS,微博と微信、2つの中国での利用状況は?
日本では以前より中国のSNSといえば微博、というくらいに多くのメディアで紹介されており認知度があります。また、実際に微博上には大手企業を中心400以上の日系企業アカウントが存在します。ただ、実はここ数年で中国のSNS事情に大きな変化が生まれています。
日本でTwitterよりもLINEの方が使われるようになって久しいですが、同様に中国でも微博に代わって微信が急速に影響力を伸ばしています。
2つのSNSの特徴と利用状況を比較していきます。
目次:
微博の現状について
微信の現状について
企業の微信を活用した取り組みについて
微博について
2009年8月にサービスを開始した微博は中国の大手ポータルサイトの新浪が運営しており、仕組みとしてはTwitterに似ています。芸能人や著名人が利用をしたことから火がつき、爆発的に利用者が増えました。ただ、その後ダミーアカウントの増加や微信の登場を受けて利用者が減少傾向にあります。网易科技の記事によると2014年6月末時点のデイリーアクティブユーザーは6970万名です。
微信について
2011年1月にサービスを開始した微信は中国の大手ポータルサイトのテンセントが運営をしております。テンセントは日本の2大アプリ・ゲームであるガンホーの「パズドラ」、ミクシィの「モンスターストライク」を中国に持ち込んだニュースでも日本で話題となっており、中国最大手のゲーム会社でもあります。また、主にパソコン用のチャットソフトであるQQもテンセントの主力サービスの1つですがこちらのサービスは中国の企業と取引のある方であればご存知の方も多いかもしれません。
中国で大手IT企業を語る際にいつも挙げられる3社がアリババ、百度、テンセントです。
このテンセントが運営する微信は仕組みとしてはLINEに似ております。加えて、日本だとFacebookのタイムラインでユーザーが写真を投稿したり記事をシェアすることが多いと思いますが、微信でも同様にタイムラインでユーザーが高頻度に写真を投稿したり記事をシェアしています。銀座や心斎橋を歩く中国人旅行者がスマートフォンに向かって一生懸命何かをつぶやいている光景を見る機会も増えたと思いますが、あの旅行者たちは微信で友人や家族に向かってボイスメッセージを送っています。
またドラッグストアや百貨店で熱心にスマートフォンを読んでいる人の多くは微信上に保存した商品画像や微信上のメディアが配信した「日本で買うべき化粧品TOP10」といった記事を読んで自分の購入する商品を探しています。
2015年6月のテンセントのIRによると現在のアクティブユーザー数は5.49億人でそのうちの25%が1日に30回以上、55%以上の人が1日に10回以上微信を開いています。 これだけ高頻度に利用されるのは微信が微博の利用者を取り込んだだけでなく、微信が登場するまでは携帯キャリアのショートメッセージで友人・家族・同僚でやりとりをしていた日々のやりとりを微信上で代替したという理由が大きいです。
企業の微信を活用した取り組みについて
最近中国に出張・旅行された方であれば至る所でQRコードを目にしたことと思います。
現在、中国では各種メーカーから商業施設、インフラ(空港・鉄道・銀行等)、物流会社、政府、レストラン、ホテル、メディアに至るまで個人と接点を持つ企業・政府機関の殆どが自社の微信アカウントを保有して運営していると言っても過言ではありません。
例えば弊社の上海本社の下に日本のユニー(APITA)の1号店が入っていますが、ここを回ってみるだけでも化粧品店やレストラン、ユニー自身も微信を活用して情報を配信しています。
化粧品会社の例1
化粧品会社の例2:フォローしたら抽選で旅行が当たる
各レストランのポスター、
2社に1社の割合でQRコードを活用して公式微信を宣伝
家電メーカーのポスターでもQRコードを入れて公式微信をアピール
次回は今回の中国SNSの現状を踏まえて、中国人旅行者の方が参考にする情報媒体についてお話します。
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