インバウンドコラム
モバイルインターネットの時代、ネットユーザーは大まかに9つのタイプに分けられる。「学んだ知識の数々をネットで披露」するウンチク族、何事にも臨場感を求めるライブ配信族、最新技術好きのハイテクレンジャーなどだ。網易伝媒と北京大学の共同研究による報告書「モバイル時代における中国ネットユーザーのタイプ別分類」が、フランス時間6月18日、「カンヌライオンズ 国際クリエイティビティ・フェスティバル」で発表された。
ウンチク族
ウンチク族は、ネット上で知識や見識を披露したがり、常に何か言わないと収まらず、しかも短い言葉で急所を言い当てる。おせっかいなウンチク族は年齢別の傾向が顕著だ。
男性の「おせっかいさ」は年齢と共に高まり、40歳以降でピークになる。特に関心を寄せるのは国家(政治)に関する事柄だ。一方女性は30歳前後が最も多い。
買い物族
ネット通販の良き「購入者」である買い物族は、中国のネットスラングでは「手切族(ネット通販で買い物をやめられず、いっそ手を切り落としてしまいたいと考える人々)」とも呼ばれる。生活条件に恵まれ、安定した暮らしを送る人が多く、買い物族のうち月収8000元(約12万2800円)以上の人が6割を、既婚者が8割を占める。
彼らが好んで買うのは美容品・化粧品、3C (Computer、Communication、Consumer)デジタル製品、旅行商品で、男性はデジタル製品、家電、輸入生鮮食品を好む。女性は美容品・化粧品、ジュエリー・アクセサリーを好む。
ライブ配信オタク
ライブ配信オタクは「ライブ族」とも呼ばれる。情報を真っ先に手に入れたがり、「リアルタイム、主観視点、生の情報」を何より重視する。
様々なライブ配信番組に熱中し、他人の生活に興味津々。ゲーム実況から弾き語りに至るまで、ライブ配信の中に真実と素晴らしい瞬間を追い求める。
彼らのうち、男性は年齢別の特徴があまりないが、女性は20歳と35歳前後に2つのピークがある。全体的に見て、1980年代生まれは「世界と同期したい」という想いが強いようだ。
ハイテクレンジャー
ドローン、人工知能、VR(バーチャルリアリティ)——彼らが最も注目し、体験したがっているのは、これら最新のハイテクノロジーだ。ハイテクレンジャーは収入が高ければ高いほど新しいモノを手に入れたがる。
彼らが最も普及を望むハイテクはスマート・ホームシステム、スマート・カー、スマート・ウェアラブルデバイスだ。男女別にみると、女性はアラサー、アラフォーが多く、男性は25歳前後が多いようだ。
開門族
開門族は、又の名をインターホン族と言う。彼らは外の中に居ながらにして利用できる各種の訪問サービスが大好きだ。開門族の8割は朝9時から午後5時まで働いており、平均収入は約9300元(約14万2755円)、民間企業の中間職や職員が多い。
彼らがO2Oサービスを好むのは、時間を節約し、生活効率を高めるためだ。
VC族
VCはビタミンCの略ではなく、ベンチャーキャピタルの略だ。彼らは投資型クラウドファンディングに注目し、熱心に参加する。
ベンチャー企業に出資し、株主になりたがる。冒険好きで、利益を追い求め、リスクを恐れない。それゆえ彼らは「夢を助ける人」とも呼ばれる。VC族の4割以上は月収が1万元(約15万3500円)を超える。高収入の1980年代生まれは最も熱心で、投資型クラウドファンディングの他にもインターネット・ファイナンス、銀行の財テク商品、株式投資、ファンド、宝くじ、ゴールド・ジュエリーなど様々な分野に投資している。
スタンプ党
スタンプ党にとって、スタンプなしのやりとりは「正式な対話」ではない。彼らによれば、良いチャットとは文字を打たず、たくさんのスタンプを貼りつけるというものだ。
なぜスタンプを文字の代わりにしたいのだろうか。
約半数のスタンプ党は、こうすることでうまく気持ちを伝え、実際に顔を合わせているような雰囲気を醸し出せるとしている。スタンプはまた、語気をやわらげたり、感情を表現する神器にもなりうる。現実におけるジェスチャーのような役割を果たしてくれるというわけだ。
デリバリー党
彼らは食いしん坊だが、自分で料理を作ることはできない、あるいは作るのが億劫だ。
彼らは様々な理由をつけて携帯電話で出前を取る。自宅で過ごすのが大好きというのが彼らの共通点で、調査によれば青少年の男性が最も多く、女性は24歳と42歳前後がピークとなる。
彼らの好きな出前の種類は上から順に、中華料理のファーストフード、中華料理、西洋料理のファーストフード、特色ある小吃(軽食)、コーヒーなどの飲料だった。
可愛いもの大好き族
可愛いものを見たら、いてもたってもいられない。まるで永遠の18歳——。彼らは可愛いもの大好き族だ。
1990年代生まれが多く、可愛いスタンプや顔文字を駆使して可愛さを演出する。面白いことに、調査によれば、大学に入学すると「いつまでも若い人」になりやすいという。なぜなら高学歴の人は、年をとるほど精神的に若くなることが多いためだ。
彼らが若さを保つ秘訣は、健康な食事、娯楽活動、スポーツだ。全体的に女性が多く、7割以上が可愛いスタンプや自撮りを好んでいる。
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