データインバウンド
【外国人宿泊者数】2019年7月インバウンド宿泊者数958万人泊。都道府県伸び率トップは高知県、市場別はロシア
2019.10.02
刈部 けい子観光庁が発表した2019年7月の宿泊旅行統計調査結果によると、全体の延べ宿泊者数は4732万人泊で、前年同月比0.4%の増加となった。日本人延べ宿泊者数は3774万人泊で前年同月比0.8%減となったものの、外国人延べ宿泊者数は、前年同月比5.1%増の957万9460人泊で、7月としては調査開始以来の最高値を記録した。ただし、昨年は多くの月で20%台で推移していた増加率が今年2月以降は10%台に下がり、6月以降は一桁にまで減少しているのは気がかりな要素である。
延べ宿泊者全体に占める外国人宿泊者の割合は20.2%だった。
都市圏と地方部の増加率の差が拡大
三大都市圏と地方部での外国人延べ宿泊者数を比較すると、三大都市圏は596万人泊(62.3%)で地方部が362万人泊(37.7%)とおよそ6対4の割合になる。前年同月比の伸び率では、三大都市圏で7.6%増、地方部は1.2%増で、地方部での伸びが鈍化している。
都道府県別の外国人延べ宿泊者数は、東京都が226万2120人泊(前年同月比2.1%増)で1位、ついで大阪府(173万1940人泊、同11.6%増)、北海道(85万5200人泊、同4.7%減)、京都府(75万1030人泊、同15.7%増)、沖縄県(69万4270人泊、同9.5%増)と続く。
都道府県別の伸び率トップは高知県で前年同月比64.3%増(8410人泊)。ついで島根県(前年同月比62.9%増、9120人泊)も大きく伸ばした。以下、三重県(同44.8%増、4万5150人泊)、福島県(同35.2%増、1万3520人泊)、山形県(同29.5%増、1万1240人泊)と続く。逆に前年同月比マイナスの県も少なくなく、特に栃木県(前年同月比50.1%減、1万6110人泊)の減少が目立った。
都道府県別の国籍(出身地)別延べ宿泊客数の構成比を見ると、中国が19都府県でトップシェアだった。地方別では北海道で韓国、東北と北陸で台湾、関東、東海、近畿では中国の存在感が目立ち、特に静岡では76%が中国だった。また、中国・四国では香港、台湾が多かったが、広島県では欧米豪で41%を占める。通常韓国が多い九州では昨今の日韓情勢の影響からか、韓国の割合が最も多かったのは4県にとどまり、鹿児島県では香港、長崎県と宮崎県では台湾がトップを占めた。
韓国は前年同月比11%減
7月の宿泊者数を国籍(出身地)別で見ると、1位が中国、以下台湾、韓国、香港、アメリカとなり、この上位5カ国・地域で全体の74.1%を占めた。
市場別伸び率に関しては、ロシアが前年同月比27.4%(3万1980人泊)とトップ、続いて中国、ベトナム、イギリスの伸びが目立った。一方で、韓国は前年比10.8%減だった。
国籍(出身地)別の都道府県別の延べ宿泊者数構成比では、韓国、香港が大阪府で、台湾は沖縄県で最も多かったが、この3市場を除く17市場では東京都に宿泊した人の割合が最も多かった。
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