データインバウンド
withコロナの旅のスタイルとして注目を集めるドライブ旅行、2019年に北海道をドライブした訪日客の特徴は?
2020.11.12
刈部 けい子新型コロナウイルスの感染者が増加して危機感が高まっている北海道。昨年までであれば、パウダースノーやウィンタースポーツ/アクティビティを目当てにインバウンド客が増える季節を迎えるが、今年のウィンターシーズンは訪日客による滞在が見込めないばかりではなく、国内市場にも影響が出ることが予想される。いっときはGo To トラベルキャンペーンで客足が戻りつつあったが、国内でも感染者数が再び増加しており、旅行市場は先が見えない状況が続いている。
そんな状況ではあるが、コロナ後の訪日客に備え、また国内旅行者にとっても3密を避ける有効手段の一つとされるのドライブ旅行について、このほど発表された、2019年の北海道における外国人ドライブ観光の分析結果から考察する。
この調査は、国土交通省北海道開発局がナビタイムジャパンのアプリ「Drive Hokkaido!」によるGPSデータから、外国人ドライブ観光客の北海道での行動を分析したもので、2018年の調査結果に続き2回目となる。
(2018年調査:レンタカーで北海道ドライブ旅行を楽しむ訪日外国人、彼らが向かった場所とは?)
レンタカー利用者のうちアジアからが8割超
2019年に北海道で外国人が利用したレンタカーは10万3050台で、初めて10万台を超えた。そして、アプリを利用したのは、その2.1%に当たる2166人だった。国・地域別では台湾、シンガポール、韓国、香港、タイ、マレーシアの順に多く、このアジア6カ国・地域で全体の81.5%を占めた。また、アプリユーザーに占めるリピーターの割合は32.4%であり、来道外国人旅行者全体28.2%よりも高い。

レンタカー利用者は広域周遊
それではデータの分析結果をみていこう。まず、外国人ドライブ観光客はレンタカー以外の交通手段では訪問が難しい地域を含め、北海道の各地を広域に周遊し、来道外国人旅行者全体よりも地方部をよく訪れ、より長く滞在していることがわかる。特に2019年は前年と比べ、宗谷地方や留萌地方、日高地方などの沿岸部を周遊している傾向にあった。
外国人ドライブ観光客の宿泊地は地方部(道央圏以外)が47.1%で、これは他の移動手段も含む来道外国人旅行者全体27.6%(2018年度:北海道庁調査)よりも高い。

また、旅行日数では外国人ドライブ観光客の平均旅行日数は5.7日で、他の移動手段も含む来道外国人旅行者全体3.7日(2018年度:北海道庁調査)よりも長い結果となった。なお、2018年の外国人ドライブ観光客より0.5日減っているのは、滞在日数の比較的短い韓国のアプリ利用者の割合が、4.8%(2018年)から14.5%(2019年)に増加した影響と見られる。

季節により変化する目的地
外国人ドライブ観光客の目的地については、2018年と同様に、雪、花など季節に応じて変化しており、地方部への宿泊割合が最も高くなるのは4-6月期で50.6%だった。
季節別では、1-3月期は倶知安町やニセコ町等を含む後志地域、4-6月期は芝桜等で有名なオホーツク圏、7-9月期は美瑛・富良野エリアを含む道北圏の割合が高い。道南圏は2018年は 4-6月期の割合が8.7%と最も高かったが、2019年は10-12月期が11.1%(2018年:8.3%)で最も高くなっている。

リピーターは地方部へ
また、レンタカー利用台数上位6カ国・地域の滞在の特徴としては、以下の傾向が確認された。
・台湾、シンガポール及び香港は、道内各地を広く訪問
・韓国は、2018年は札幌市周辺及び美瑛・富良野エリア周辺で滞在が多く確認されていたが、2019年は道北、道南、道東など道内各地で滞在が確認された
・タイ及びマレーシアは、札幌市周辺、美瑛・ 富良野エリア周辺及び函館市周辺で滞在が多く確認された
外国人ドライブ観光客の国・地域別の平均旅行日数では、台湾5.7日、シンガポール6.2日、香港5.8日、マレーシア5.8日と長く、タイは4.8日、韓国は4.3日と比較的短い。 この傾向は、2018年とほぼ変わらなかった。

来道回数別の地方部宿泊割合は、来道経験なし・1回では44.7%であるのに対し、来道回数2-5回では55.1%、来道経験6-9回では53.0%と、リピーターの方が地方部を訪れる割合が高くなった。日本人の場合でも、最初の北海道旅行はツアーで、リピーターになるとレンタカーで各地を旅するスタイルを取る人も多いと思われる。ただし、来道回数10回以上では、2018年に割合が高かった札幌市に加え、後志地方が高く、道央圏が61.6%と再び高くなることがわかった。
北海道へ到着する空港、出発する空港が把握できた外国人ドライブ観光客については、大部分が新千歳空港を利用していた。
実は筆者は10月上旬に羽田空港から新千歳空港に入り、そこでレンタカーを借りて2泊3日の道央圏観光を楽しんだのだが、旅行中に3密を避けられるという点でドライブ旅行はwithコロナの時代に最も適した移動手段ということを実感した。これまでも北海道は沖縄と並んでレンタカーの利用者が多い地域だったが、これまで以上にドライブ旅行が増えるのは間違いないだろう。なお、北海道ではインバウンド客向けのドライブマニュアル「北海道ドライブまるわかりハンドブック」を日本語、英語、中文・繁体字、中文・簡体字、韓国語、フランス語、ドイツ語で作成している。
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