データインバウンド
コロナ禍における安全な都市ランキング発表。1位はアブダビ、東京は7位ランクイン。パンデミック対応に成功した自治体分析から見える共通点
2021.05.27
COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の感染拡大時の2020年6月にデータインバウンドに掲載した「コロナ禍の世界で最も安全な国はどこ?」は現在に至るまで多くの方に読んでいただいているが、同じ香港のDeep Knowledge Groupが、今度は安全な都市のランキング(2021年第1四半期)を発表した。
それによると、世界の25都市のなかで1位はアブダビ(アラブ首長国連邦)、ついでソウル(韓国)、シドニー(オーストラリア)、シンガポール、オタワ(カナダ)で、東京は全体の7番目となっている。ちなみに、アラブ首長国連邦の5月23日現在の感染者数は55万6000人、死者数は1651人。1日平均の感染者は1400人で、ピークだった1月30日の38%になるという。
この最新のケーススタディでは、世界の5つの主要地域のうち25の都市を、5つの質的に異なるカテゴリ(経済レジリエンス、政府の効率性、健康管理、検疫効率、ワクチン接種率)に分類された50のパラメーターで構成される分析フレームワークの合計1300のデータポイントに基づき分析、COVID-19パンデミックに対する最も成功した自治体の対応の背後にある重要な要因を特定した。
現状では、「経済的レジリエンス」と「ワクチン接種率」のパラメーターが最も重要と考えられる。ついで、「政府の効率性』と「検疫効率」が、パンデミックの現段階で同様に重要な役割を果たすため、2番目の重要度係数が割り当てられている。「ヘルスケア管理」のパラメーターは、パンデミックの初期段階で最も重要だったが、その後は以前ほど重要ではなくなったことに基づいて、3番目の重要度係数が割り当てらた。
各カテゴリーの上位を見ていくと、以下の通り。(上のグラフの項目をクリックすることで、個別の項目の点数を確認できます)
経済的レジリエンス
ソウル、チューリッヒ、ベルリンは、世界的な景気後退が輸出に影響を及ぼしているにもかかわらず、世界経済がここ数年で見た中で最も困難な年の1つで並外れた回復力を示している。東京は5位。
政府の効率性
シンガポール、アブダビが最高のスコアを示した。急激なグローバル化のプロセスでは、こうしたメガロポリスは将来の発展に関する明確なビジョンを持った強い支配力の構築が重要。東京は6位。
健康管理
オスロ、東京、オークランド、北京、台北、ソウルは、優れた公衆衛生検疫措置により、すべての先進国の中でCOVID-19関連の死亡率と罹患率が最も低いレベルとなっている。なお、特に主要都市で死亡率が大幅に低下した主な理由は、検査数の多さにあることがわかっている。
検疫効率
オークランド、シドニー、香港がトップ3。パンデミックに対する彼らの対応は非常に厳しく、感染者を比較的少数に抑え、爆発的な感染拡大を防いだ。東京は17位。
ワクチン接種率
テルアビブとアブダビは、ワクチン接種レースでトップをいく。イスラエルでの集団予防接種の開始は印象的で、人口の10%以上が、全国予防接種キャンペーンの開始後2週間以内に最初の接種を受けた。比較すると、米国が同じ水準に到達するのに57日、イギリスは45日かかり、欧州連合はまだその水準に到達していない。東京は16位。なお感染抑制の優等生といわれた台湾は接種率が日本より低く、現にこのランキングでも台北は25都市中最下位になっている。
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