データインバウンド
ノルウェーが連続首位、韓国6位に急浮上、日本は41位に沈む —COVID耐性ランキング2022年5月
2022.06.09
やまとごころ編集部アメリカの大手総合情報サービス会社ブルームバーグは5月26日、コロナ禍における世界で最も安全な国・地域の番付「COVIDレジリエンス(耐性)ランキング」の5月版を発表した。このランキングでは、コロナ禍における感染抑制やワクチン接種率、死亡率、渡航再開の進展度合いなど11のデータ指標に基づいて、53の国・地域を比較。どの国・地域が最も効果的に新型コロナウイルス感染症に対応できているか毎月発表している。
コロナ関連の旅行制限を撤廃した国が上位に
1位は3か月連続でノルウェー、2位はアイルランド、3位はデンマークだった。これまで何度も首位に輝き、前回も3位だったアラブ首長国連邦(UAE)は5月は5位と、久々にトップ3の座から外れた。ノルウェーでは成人のワクチン接種率が91%を誇り、変異株の波が何度も押し寄せているにも関わらず、死亡率を低く抑えることに成功している点が評価されている。韓国は前月から13ランクアップの6位とトップ10入りを果たした。
図出典:Bloomberg「The Covid Resilience Ranking」
新規感染者の多い米国や死亡率が高いイギリスよりも日本の順位は下
日本は前月の34位から7ランクダウンの41位と下位に沈んだ。外国人観光客受け入れ再開に向け、段階的に入国規制を緩和し始めているものの、国境開放度の点では台湾や中国と同等レベルの低スコアとなり、順位を下げた。
米国は5月下旬に1日の感染者数が約10万人と過去最悪を記録したにも関わらず、前月から1ランクダウンの31位に踏みとどまった。イギリスでは、100万人当たりの死亡者数が主要先進国の中では最悪となっているが、前月から2ランクダウンの14位だった。両国ともに、自由な移動や日常生活を取り戻している点が評価されている。
最も急上昇したのはイスラエルとベトナム
5月最も急激なランクアップを記録したのがイスラエルとベトナムだ。出発前のPCR検査や、外国人旅行者の検疫要件をなくすなど、渡航条件を大幅に緩和したことが高評価につながった。イスラエルもベトナムも14ランクアップで、それぞれ11位と22位に躍り出た。一方、最もランクダウンしたのは感染者が急増している台湾だった。前月から19ランクダウンの51位とワースト3になってしまった。低いワクチン接種率と、高い死亡率が主な要因だ。
ロシア最下位、香港は最下位から抜け出す
5月はウクライナへの侵攻を続けるロシアが最下位だった。前月最下位だった香港はレストランなどでの行動制限を緩和をしたことで、5ランクアップして48位になった。ゼロコロナ政策を堅持する中国は前月から1ランクダウンの51位。長引くロックダウンで市民生活や経済に与える影響はますます深刻化している。
今回のランキングでは、1日の新規感染者が約10万人の米国や、死亡率が先進国で最悪を記録するイギリスよりも日本のほうが10ランク以上も低い順位となった。自由な海外旅行、自由な日常生活を取り戻している欧米各国と比べれば、日本の入国規制がいまだ厳しいままであると評価された結果といえる。
最新のデータインバウンド
-
2025年6月の訪日客数337万人、1-6月の累計2151万人。前年同期を370万人超上回る (2025.07.17)
-
AIが旅の選び方を変える、旅行業界が注視すべき3つの消費行動の変化 (2025.07.15)
-
2025年アドベンチャートラベルの顧客像に変化、価格上昇や成熟層シフト進む (2025.07.14)
-
2024年の外国人宿泊、4割増の1.6億人泊。石川・愛媛で2倍超、地方急伸の理由は? (2025.07.09)
-
2030年に33兆円 拡大するムスリム旅行市場、日本は女性向け旅先5位 (2025.07.08)
-
2025年4月の訪日宿泊者1729万人、地方比率も30%超。鳥取県は前年比151%増 (2025.07.01)
-
世界の住みやすい都市ランキング2025、大阪7位。首位のコペンハーゲンは観光と生活を両立 (2025.06.30)
-
デジタルノマドビザで旅先に変化 検索動向が示す渡航トレンド (2025.06.24)
-
2025年5月の訪日客数、閑散期でも360万人超え。韓国累計400万人突破 (2025.06.19)