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2021年世界の航空会社旅客数ランキング、アメリカが上位独占、欧州とアジアは低迷 ーCirium

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航空業界のデータ分析を提供するCirium(シリウム)が、600社以上の航空会社を対象とした、2021年の世界の航空会社旅客数ランキングを発表した。順位は、有償旅客キロ(RPK:運賃を支払って航空機に搭乗した旅客総数に飛行距離を乗じた値)に基づき算出したもの。北米、欧州、日本を含むアジア太平洋地域を中心に、パンデミック前とのランキングの移り変わりをレポートする。
(図出典:Cirium)

 

旅客数のシェアでトップに浮上した北米

航空会社のランキングの話に入る前に、各地域の旅客数のシェアを確認しておこう。下の表にあるように、パンデミック前には、アジア太平洋地域世界の旅客輸送量の最大シェアを誇っていた。ところが、2021年の結果では、北米勢に取ってかわられたのがわかる。

▶︎地域別の旅客数(RPK)のシェア 過去3年の推移

(上から、北米、アジア太平洋、欧州、中東、中南米、アフリカ、世界全体)

 

国内線需要の回復でアメリカがトップ4を独占

航空会社旅客数ランキングの上位4位までを占めたのは、アメリカの大手航空会社。首位から、アメリカン航空(1位)、デルタ航空(2位)、ユナイテッド航空(3位)、サウスウエスト航空(4位)と並び、国内線需要の力強い回復を反映した結果となった。

今回のランキングでは、格安航空会社(LCC)が全体的に順位を伸ばし、北米勢に続く5位にはヨーロッパ最大の格安航空会社ライアンエアーがランクイン。以下、6位から10位まではアジアと中東の航空会社。ヨーロッパの航空会社でトップ10に入ったのはライアンエアーのみだった。

地域別に見ると、ランキングの上位を独占した北米は2020年から75%の伸びを示した。しかし、パンデミック前の2019年との比較では、まだ40%のマイナスだ。2019年比はどの地域も減少しているが、2020年比ではアジア太平洋のみがマイナスとなっている。

世界全体では、2021年の世界の輸送量はパンデミック前のピーク水準から57%落ち込んでいる。旅客総数はパンデミック前(47億人)の約半数の23億人だった。

▶︎地域別の旅客数(RPK)の推移

(地域は上から、北米、アジア太平洋、欧州、中東、中南米、アフリカ、世界全体。
項目は左から、旅客数RPK[単位:10億]、座席数、負荷率、右端が旅客数[単位:100万])

 

ビジネス客と長距離路線が頼りのヨーロッパは低迷

ライアンエアーをはじめ、格安航空会社が順位を上げた背景には、ヨーロッパやアジアの主要航空会社の低迷がある。これまでビジネス客や長距離路線を拠り所としてきたヨーロッパの航空会社は、その需要の落ち込みから軒並み順位を落としている。パンデミック前の2019年との比較では、エールフランス航空がかろうじて13位と順位をキープしたが、ルフトハンザドイツ航空は9位から17位、ブリティッシュ・エアウェイズは12位から30位、ヴァージン・アトランティック航空は50位から105位へと大幅に順位を下げた。

こうした主要航空会社が苦境に立たされる中、その落ち込んだ分の輸送量のシェアを手中に収めたのが格安航空会社というわけだ。

 

アジア太平洋は旅行規制による輸送量減少で低迷

低迷するヨーロッパと同じく全体的に順位を下げたのがアジア太平洋地域である。旅行規制が原因で輸送量は減少。香港を拠点とするキャセイパシフィック航空は、厳しいゼロコロナ政策のためにトップ100圏外へと大幅に下落。インドネシア、マレーシア、韓国、タイといった地域の航空会社の結果も低調だ。

日本では、全日本空輸と日本航空が2020年には輸送量の85%近くを減少。2021年でも75%減と低迷が続き、2019年とのランキングの比較では、全日本空輸が21位から44位へ、日本航空が35位から56位へと順位を下げた。

▶︎航空会社の旅客数(RPK)ランキング (25位ごとに画像をクリックすると大きな画面が開きます)

 

 

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