データインバウンド
訪日クルーズ再開、2023年は200本以上寄港の見込み。中国からのクルーズ6月再開へ
2023.04.24
やまとごころ編集部4月19日に発表された3月の訪日外国人数は2019年同月比で65.8%まで復活した。桜の季節でもあったことに加え、クルーズ船の再開もあり、特に欧米豪での増加が著しかった。JNTOによると、3月はアメリカ、オーストラリア、カナダ、イギリス、フランス、ドイツ船社の訪日クルーズ船の運航再開があったという。
その先陣を切ったのは、今年3月1日に静岡県清水港に入港したドイツの会社が運航する国際クルーズ船「アマデア」だった。外国船が日本に寄港するのは3年ぶり、清水港では2019年12月の「ダイヤモンド・プリンセス」以来のことだった。
外国船社のクルーズ船は2021年、2022年は寄港数ゼロ
ここで2022年までの日本へのクルーズ船の寄港数の推移を見てみよう。下のグラフにあるように外国船社が運航するクルーズ船は2017年に2013回を数えると2019年まではほぼ横ばいで推移していた。しかし、新型コロナウイルス感染症が拡大した2020年2月を最後に、2021年、2022年を通して寄港は皆無だった。
なお、日本船社のクルーズ船は2020年以降も実績があり、2022年はコロナ前のピーク水準の70.8%の720回で、前年比では71.4%増だった。
訪日クルーズ旅客数も寄港数と同様で、2017年にピークとなる252万9000人を記録、以降、2018年、2019年とも200万人台を維持していたが、2021年と2022年はゼロだった。
ちなみに、2017年から、2019年までの3年間の寄港回数トップ3の港湾は、2017年が博多(326回)、長崎(267回)、那覇(224回)、2018年が博多(279回)、那覇(243回)、長崎(220回)、2019年が那覇(260回)、博多(229回)、横浜(188回)だった。
また、2019年の月別寄港回数を見ると、日本船社、外国船社ともに観光のベストシーズンと言われる4月、5月が最も多く、ついで夏休みの8月が多かった。
クルーズ再開が早かった欧州、北米
前述のように、2023年3月1日に外国船社のクルーズ船が日本に3年ぶりに寄港したが、世界ではそれ以前からクルーズ船が再開されていた。下のグラフのように2021年6月以降、世界の各地域で再開の動きが活発化し、遅れていたアジアでも2022年7月以降、シンガポール、マレーシアなど東南アジアで再開していた。
日本は遅れること2023年にようやく訪日クルーズが再開したが、国土交通省によると3月1日の時点で200本以上の国際クルーズ船の運航が予定されているという。一般の旅行者と比較すると、クルーズ旅行者の消費単価が低いとはいえ、コロナ禍前の訪日クルーズ船の寄港による経済効果は、訪日旅行消費だけでも年間約800億円となった。特に外国船による日本周遊クルーズは、大都市圏のみならず地方部での経済効果も大きいことから、今後の増加に期待したい。
なお、コロナ禍前までは日本への寄港数全体の約80%を占め、最多だった中国市場発着のクルーズの再開については、3月29日付で中国運輸省総局が国際クルーズ再開に向けたパイロットプログラムを発表。当面は発着港を上海と深圳に限定し、6月に上海ー日本航路の運航が始まるとされている。
(図版出典:国土交通省)
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