データインバウンド
2023年7月世界の航空需要、国内線は4カ月連続で2019年比増、中国が伸びを牽引
2023.09.11
やまとごころ編集部IATA(国際航空運送協会)が発表した2023年7月の世界の航空需要によると、総RPK*はパンデミック前の2019年同月比で95.6%まで回復、前年同月比では26.2%増となった。国際線RPKの回復も堅調で、パンデミック前の88.7%まで回復。また、国内線RPKは2019年同月比8.3%増と、4カ月連続で2019年の水準を上回った。
(*RPK:有償旅客が搭乗して飛行した総距離=revenue passenger kilometers:有償旅客数×輸送距離)

北米の国際線、パンデミック前を上回る
国際線RPKは7月も安定して回復しており、2019年同月比11.3%減となったが、地域差もあって回復の勢いは弱まったと言える。
アジア太平洋地域の国際線RPKは、2019年同月比26.1%減となっており、国内線は好調なものの、域内外の国際線の回復が遅れているためだ。
一方、北米の国際線RPKは2019年同月比2.1%増となった。地域別では唯一のプラスで、4月以来、連続してパンデミック前を上回っている。特に中東、中米を結ぶ路線が好調だ。欧州線も2019年同月比で6%増となり、アジアや他の地域を結ぶ路線も回復している。
欧州の国際線RPKは2019年同月比8.3%減となった。同地域ではストライキや異常気象で交通が混乱したため、厳しい月となった。とはいえ、欧州域内の国際線RPKは2019年同月比1.7%増加している。
中南米の国際線RPKは2019年同月比1.9%減まで回復、特に中米域内の国際線はパンデミック前を15.8%も上回った。欧州との路線もパンデミック前の水準に戻っている。中東地域は2019年同月比4.2%減となり回復基調を維持、アフリカも同11.7%減となった。

中国、活発な国内旅行で国内線は2019年の2割増
7月の国内線RPKは2019年同月比で8.3%増となり、4月以降連続してパンデミック前の水準を上回った。国別ではオーストラリアを除く5カ国でプラスになっているが、特に目立ったのが中国で、活発な国内旅行の影響で国内線RPKは2019年同月比22.5%増を記録した。
アメリカは依然として好調を維持し、国内線RPKは2019年同月比3.0%増だった。なお、日本、インド、ブラジルは連続してパンデミック前の水準を上回っているが、前月よりは伸び率は減少した。

航空券の売れ行き好調も、懸念もあり
IATA事務局長のウィリー・ウォルシュはこの結果を受け、次のように話している。
「7月の航空便は満席だった。しかも重要なのは、この先の航空券の売れ行きも好調なことで、これは旅行者の意欲が引き続き高いことを示している」
「航空業界では、パンデミック前の運航水準に戻る準備はほぼ整っているが、人員不足などが足を引っ張っているところもある。さらに憂慮すべきは、メキシコやオランダ*をはじめとする一部の政府が、主要ハブ空港のキャパシティ削減を課すという政治的決定を下したことだ。これでは雇用が失われ、地域経済や国民経済に打撃を与えることになる」
(*メキシコでは大統領が8月末に、メキシコシティ国際空港の運航便数の削減を冬季シーズンから実施すると発表。オランダ政府は、2024年からスキポール空港の発着枠削減を決定している)
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