データインバウンド

2023年後半、世界の旅行意欲高く。スポーツ観戦、音楽ツアー目的の旅行計画トレンドに

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エクスペディア・グループが四半期ごとに発行する「旅行者インサイト」の最新版が発表された。202379月期(第3四半期)の旅行者検索、予約データをもとに、旅行トレンドを読み解く。今年前半に見られた旅行への前向きな勢いは後半も衰えていない。前回3カ月前に発表されたレポートに引き続き、今期も短期、長期旅行への需要は高く、イベント開催に合わせた旅行もトレンドだ。世界全体、そして、北米、アジア太平洋、欧州・中東・アフリカ、中南米の地域別のトレンドを見ていこう。
(図出典:Expedia Group data, Traveler Insights Q4 2023

 

検索件数は堅調に増加、欧州・中東・アフリカが最も好調

202379月期の世界全体での検索件数は、前四半期、前年同期のいずれと比べても堅調に推移。今期全体を見ても、前週比の数値が安定していることから、旅行に対する楽観的見方は広がっている。

地域別で、検索件数が最も伸びているのは、前期に引き続き、欧州・中東・アフリカ。前四半期比で10%増、前年同期比で5%増えている。増加のおもな要因は、イタリアのブリンディジ、カターニア、ジェノヴァといった小規模都市や、前期比で3ケタの伸びを示したトルコのダラマンなど、ヨーロッパのいくつかの都市で検索数が伸びたためだ。

年末年始にかけてのホリデーシーズンが迫り、多くの旅行者は昨年より早めに計画を立てている。特にアジア太平洋と中南米の旅行者の間でこの傾向は強く、79月期に、11月、12月の旅行を検索した数は前年同期比で10%増加している。

各地域の検索数の推移(対前週比)

AMER:北米 APAC:アジア太平洋 EMEA:欧州・中東・アフリカ LATAM:中南米 

 

旅行の計画期間は短期・長期、いずれも増加

2四半期に引き続き、直近の旅行計画を立てる旅行者がいる一方で、5カ月先の旅行を検索する数も増えている。前四半期比で、021日先の旅行の検索数は5%、2230日先の検索は10%増加。特に、検索期間021日は、欧州・中東・アフリカと北米での検索数増加によるものだ。

180日以上先の旅行を計画している旅行者は、前四半期と比べて20%増加。特に、欧州・中東・アフリカでは75%増加している。前四半期比で20%増加という数字は、パンデミック前の2019年に見られたのと同じ傾向だ。先を見据えて旅行を計画することはつまり、旅行への強い意欲の表れと言えよう。

 

人気旅行先は前四半期と変化なし、遠方への旅も人気

人気の旅行予約先については、今期トップ10にあらたに登場した都市はベルリンとオーランドで、そのほかは前四半期と同じ顔ぶれだ。いずれの地域でも、域内旅行は増加し、それに加えて、前四半期と同様、長距離移動を伴う遠方への旅が好調だ。アジア太平洋地域の旅行者の間では東京、ソウル、大阪がトップ3となっている。

各地域における旅行予約先トップ10 
 *印は、79月期にトップ10入りした目的地

 

スポーツ、音楽イベントが旅行の目的に

前回のレポートで、世界的なトレンドのひとつとして、スポーツイベント開催が旅行の大きなうねりをつくっていることを指摘した。この傾向は今期も続き、大規模なスポーツの試合や音楽ツアーが旅行の大きなきっかけになっている。

一例として、サンディエゴで725日に行われた、レクサムとマンチェスター・ユナイテッドのサッカーの試合の前日、サンディエゴの検索数は、前月比で20%も上昇した。ちなみに、プレミアリーグの名門マンUと対戦したレクサムはノンプロリーグから今年イングランドのフットボールリーグ2(4部相当)に昇格したばかり。2020年終盤にハリウッドスターのライアン・レイノルズらが買収し、昇格を争った様子は『レクサムへようこそ』というドキュメンタリーにもなり、下部リーグのチームながら名声を高めたことから、この試合は大きな関心を集めた。

また、テイラー・スウィフトが2024年に行う「The Eras Tour」のアジア、オーストラリアでのスケジュールが発表されると、ファンたちは一気に検索行動を起こし、2月、3月にツアーが行われるコンサート会場の都市は、検索数が前年同期比で250%以上も増加した。その後、ヨーロッパツアーの日程が発表されると、今度は58月の開催都市の検索数が65%近く増加した。このように大きなイベントに伴って検索数が上昇するとなれば、旅行ブランド、開催地のアクティビティオペレーター、旅行広告主にとっては、検索、予約に積極的な旅行者にリーチし、つながるチャンスとなるだろう。

 

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