データインバウンド
2023年版生活費の高い都市ランキング、1位になったアジアの都市はどこ? トップ3にスイス2都市
2023.12.07
やまとごころ編集部イギリスの経済誌『エコノミスト』の調査部門であるエコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)が、2023年版世界一生活費の高い都市のランキングを発表した。報告によると、この1年間の物価は現地通貨建てで平均7.4%上昇した。昨年の8.1%からは鈍化したものの、2017年から21年にかけての物価上昇率を大幅に上回っている。
世界一生活費の高い都市、シンガポールとチューリッヒ
2023年の調査で最も物価の高い都市となったのは、同率でシンガポールとチューリッヒだった。シンガポールは2年連続、過去11年間で9度目となる世界一生活費の高い都市となった。3年ぶりに同率首位に返り咲いたチューリッヒはスイスフラン高に加え、食料品、日用品、レクリエーションなどの物価が高いことから、2022年の6位から順位を上げた。同じくスイスのジュネーブも7位から同率3位に浮上している。2022年はシンガポールと同率1位だったニューヨークは3位に下がった。
2023年のトップ10は、アジアの2都市(シンガポールと香港)、ヨーロッパの4都市(チューリッヒ、ジュネーブ、パリ、コペンハーゲン)、アメリカの3都市(ニューヨーク、ロサンゼルス、サンフランシスコ)、イスラエルのテルアビブで構成されている。なお、今回の調査は、イスラエル・ハマス戦争が始まる前に実施された。戦争がイスラエルの為替レートに影響を与え、テルアビブでの商品調達が難しくなり、調査実施後に価格が変動した可能性がある。

世界的に見ると、今回の調査で対象とした10カテゴリーの中では、公共料金(家庭の光熱費と水道料金)のインフレ率が最も緩やかだった。これは2022年に最も急上昇したカテゴリーだったが、ロシアのウクライナ侵攻によるエネルギー価格ショックの緩和を示唆している。一方、食料品は最も速いペースで価格が上昇した。多くの製造業者や小売業者がコスト上昇分を消費者に転嫁する粘着インフレ状態で、異常気象の頻度増加により供給サイドのリスクは引き続き高まっている。
東京、大阪は大きく順位を下げる
最も順位を下げた都市のリストには、ロシア、中国、日本の都市が含まれている。モスクワは105ランクダウンの142位、サンクトペテルブルクは74ランクダウンの147位と、大きく順位を下げた。輸入抑制と労働力不足で両都市とも物価が上昇(5.9%と6.6%の計算)しているが、2022年からロシア通貨のルーブルが約60%も下落したため、その影響は影を潜めている。
アジアでは、人民元安と円安の影響で、中国の4都市(南京、無錫、大連、北京)と日本の2都市(大阪、東京)が大きく順位を下げた。東京は2022年の37位から60位、大阪は43位から70位へとランクダウン。中国の都市は通貨安に加え、パンデミック後の回復の遅れと消費者需要の低迷がランキング下落につながった。
また、最も生活費の安い都市は2022年と変わらず、内戦が長引くシリアの首都ダマスカス(WCOL指数13)だった。
なお、このランキングは、交通費や家賃、食費、シャンプーや化粧品などの生活用品等、200を超える商品・サービスにおける400以上の個別物価を調べ、ニューヨークを基準(WCOL指数100)に生活費を比較したものだ。対象は世界の主要173の都市だが、世界平均は昨年と同様、キーフ(2022年は調査対象外)とカラカス(ハイパーインフレに直面し続けている)を除外して算出されている。
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