データインバウンド

2024年世界幸福度ランキング 1位は7年連続フィンランド、日本は51位に後退。世代間格差大きく

印刷用ページを表示する



2024年版の国連の世界幸福度レポート(World Happiness Report)とランキングが、国連が定めた「国際ハピネスデー」である3月20日に発表された。2012年以降、2014年を除いて毎年発表され、今回で12回目となる。調査対象は前回より6つ増え、世界143の国・地域を対象に行われた。今回1位となったのは7年連続でフィンランドだった。日本は前回の47位から4つ下げて、51位だった。

このランキングは米調査会社ギャラップが全世界に対して行う世論調査をもとにしたもので、各国の約1000人に「最近の生活の満足度」を0から10までの11段階で自己評価してもらい「幸福度」を測定。直近の3年間の平均でランキングを作成している。今回は2021年から2023年の結果をまとめて2024年版として発表された。

 

北欧勢が上位を占める

今回トップ3となったのは、フィンランド、デンマーク、アイスランドで、前回と同じ顔ぶれだった。また、トップ10内には欧州勢が多く並び、特に北欧5カ国は7位までにすべて入った。

トップ10にあまり変化がない一方、トップ20では順位の入れ替えが目立った。コスタリカとクウェートが初めてトップ20圏内にランクインし、それぞれ12位、13位を占めた。それと反対に、前回15位と16位だったアメリカとドイツは、23位と24位に順位を落とした。そのため、トップ20に残るG7の国はカナダとイギリスだけになった。

▶︎世界幸福度ランキング2021-2023

 
出典:World Happiness Report 2024

 

若い世代に幸福度が低い傾向、日本は総合51位、30歳未満73位

なお、30歳未満、30-44歳、45-59歳、60歳以上の4つの年代のランキングも出ており、新旧の世代の違いが顕著にわかる国・地域もある。たとえば、前回トップ20に初めて入り、今回1ランクアップの19位となったリトアニアは、30歳未満では1位、60歳以上では44位だった。

また、アメリカがランクダウンしたのは、30歳未満の幸福度が大きく低下したのが原因とレポートは伝えている。

幸福度が高い国は一般的に総合ランキングの高い国だが、最近では若者の幸福度が非常に低い国もいくつか含まれているという。

こうして世代を比較した場合、全体的に1965年より前に生まれた人は、80年以降に生まれた人よりも平均して幸福度が高く、また、ミレニアル世代では自分の人生に対する評価が年齢が上がるごとに下がっていくのに対し、60歳以上では年齢が上がるにつれて人生の満足度が上がっていくとレポートは指摘する。

今回日本は総合ランキング51位に後退し、G7の中では引き続き最下位となった。また、年代別では、60歳以上では36位、45-59歳で52位、30-44歳で63位、30歳未満は73位と、若い世代の満足度が低くなっている。

アジアではほかに、シンガポール(2023年25位→2024年30位)、台湾(27位→31位)、韓国(57位→52位)、フィリピン(76位→53位)、タイ(60位→58位)、マレーシア(55位→59位)、中国(64位→60位)がランキングの上半分に入った。

最下位は昨年と変わらずアフガニスタン(143位)で、下から2番目はレバノンと、紛争の影響を受けている国々の幸福度は著しく低くなっている。

 

▼前年のランキングはこちら
2023年世界幸福度ランキング 1位は6年連続フィンランド、日本は47位。信頼の重要性増す

▼北欧勢はサステナブル旅行でも評価が高くなっています
2023年サステナブル旅行指数ランキング、トップ20をヨーロッパ諸国が寡占 ーユーロモニター社

フィンランドが「サステナブル・ツーリズム」を国家戦略に掲げ取り組む理由

 

最新のデータインバウンド