データインバウンド
2024年2月 世界の航空需要コロナ前から完全回復、国際線初の2019年水準超え。アジアの回復著しく
2024.04.05
やまとごころ編集部IATA(国際航空運送協会)によると、2024年2月の世界の航空需要(総RPK*)は2019年の水準を5.7%上回り(前年同月比21.5%増)、ついにコロナ禍から完全回復を果たしたことがわかった。1月は2019年同月比0.4%減だった。
これは、すでに2019年の水準を回復していた国内線RPK(13.7%増、前年同月比15.0%増)に加え、国際線RPKがコロナ禍以降初めて2019年同月比を上回った(0.9%増、前年同月比26.3%増)ためだ。アジア太平洋の回復がこの伸びを牽引した。
(*RPK:有償旅客が搭乗して飛行した総距離=revenue passenger kilometers:有償旅客数×輸送距離)
国際線、アジア発着ルートが大きく伸びる
前述のように国際線RPKはコロナ前の水準に達し、前年同月比では26.3%増となった。全地域にわたって良好な結果で、1月と比べても伸び率が高かった。下のグラフは2023年同月比だが、2019年同月比でもヨーロッパとアジア太平洋を除く地域でコロナ前を超えている。また、ヨーロッパでもマイナスはわずか0.2%で、これまで大幅に遅れていたアジア太平洋でもコロナ前の7.0%減まで戻している。
国際線の主要ルートでも、アジア地域内、また、アジアと南太平洋間、欧州間のRPKも大きく伸びている。それと比べると、ヨーロッパと北米、中米/カリブ間、アフリカとの間のそれぞれのルートは伸びは少ないが、これは早い時期から回復していたためだ。
なお、1月までは国際線、国内線ともに2019年同月比を紹介していたIATAのデータだが、2月からは前年同月比に変わったので、前月までのグラフと比較する際に注意していただきたい。
中国市場は記録的な伸びを記録
国内線RPKは前年同月比15.0%増となり、モニターしている6市場全てで改善している。特に著しいのが中国市場の記録的な伸びで、前年同月比35.1%増となり、同月としては過去20年間で最高の数値となった。
次に伸び率が大きかったのがオーストラリアで前年同期比14.9%増、続いて日本の前年同期比9.1%増で、いずれも1月から大きく伸びている。インドは前年同月比5.3%増、アメリカとブラジルは年間成長率でもコロナ前を上回った。
2024年の航空業界は見通し好調
IATA事務局長のウィリー・ウォルシュはこの結果を受け、「2024年の好調なスタートは2月も続き、北米を除く全市場で旅客数が2桁増となった。航空会社が脱炭素化への投資を加速させ、旅客需要が地政学的・経済的な不確実性に直面しても回復力を示す中、2024年の航空業界の見通しは楽観的と言える十分な理由がある。ただし、政治家が新しい税制度でこの前向きな軌道を不安定にしないことが重要だ」と述べた。
▼1月の航空需要はこちら
2024年1月 世界の航空需要99.6%まで回復、国際線は北米 国内線は中国が伸びを牽引
▼旅行意欲はますます旺盛です
2024年の4つの旅行トレンド「スポーツ観戦」「一人旅」「フレキシブルな旅」などーアメリカン・エキスプレス調査
最新のデータインバウンド
世界の4割を占める日中韓EC小売市場の動向、「いつでも、どこでも」がオンラインショッピング需要を煽る (2024.09.09)
アメリカ人の2024年秋の旅行トレンド、旅行代金大幅増 訪日予算129万円に。80歳以上の旅行意欲高まる (2024.09.05)
【宿泊統計】2024年6月の外国人延べ宿泊者数1347万人泊、愛媛で2019年同月比159%増。福島と石川も好調 (2024.09.02)
オーストラリアのアウトバウンド1000万人超で2019年水準にほぼ回復、訪日数大きく伸びる (2024.08.30)
航空運賃高止まりでもアジア人気続く、アメリカからのトレンド旅行先トップ2上海と大阪ー北米OTA Hopper調査 (2024.08.27)
【訪日外国人数】2024年7月訪日客数329万2500人、2カ月連続で単月最高記録を更新。過去最速で累計数2000万人超え (2024.08.22)
インバウンド旅行者の行動と訪問先ランキング 一番人気は「渋谷」、国籍地域別の傾向は?ー2023年東京都調査 (2024.08.19)
訪日外国人のガイド利用状況を調査、ガイドが求められるシーンとは? ー観光庁 (2024.08.15)
コロナ禍を経て増加する日本人の一人旅、訪日客の決め手は「安全」や「リラックス」 (2024.08.13)