データインバウンド
訪日客が一番困ったことは? 3割がごみ箱の少なさを指摘、言語の問題をあげる人が増加ー観光庁
2024.07.08
やまとごころ編集部観光庁は、2023年度の「訪日外国人旅行者の受入環境整備に関するアンケート」の調査結果を発表した。観光庁では、訪日中の外国人旅行者がストレスなく快適に観光を満喫できる環境整備を進める上で、旅行中に困ったことを継続的に調査しているが、今回は2019年度以来、すなわちコロナ禍明け最初の調査となった。
なお、アンケートの調査結果は、前後半の2回に分けて紹介する。
調査は2023年11月~2024年2月に訪日外国人旅行者の利用が多い5空港(新千歳空港、成田国際空港、東京国際空港、関西国際空港、福岡空港)で対面のアンケート形式で実施し、4012件の回答を得た。
回答者の属性は以下の通り。6割を20〜30代が占め、国·地域については、5大市場(中国、韓国、台湾、香港、米国)で各400件以上、タイ・マレーシア・インドネシアで合計600件程度、豪州で80件以上、欧州で320件程度の回答を取得した。66.9%が訪日回数2回以上のリピーターであり、滞在期間は4〜5日の滞在が最も多く、1週間以内の滞在者が過半数を占めた。

旅行中に困った人全般は減少も、ごみ箱不足やコミュニケーションに困った
それでは調査結果を見ていこう。まず、今回の訪日で訪れた都市について尋ねたところ、東京の48.6%、大阪の39.7%をはじめ、大都市圏が多くを占めた。1人当たりの訪問都市数は約2.81都市(4012人がのべ1万1280都市を訪問)となった。

旅行中に困ったことについて尋ねたところ、「困ったことはなかった」と回答した人の割合が、2019年度と比べて10ポイント近く減少。「無料公衆無線LAN(フリーWi-Fi)環境」や「クレジット/デビットカードの利用」については困った割合が減少、または変わらなかった。
その一方で、2019年度でも困ったことの1、2位だった「ごみ箱の少なさ」「施設等のスタッフとのコミュニケーション」は困った割合が増加した。

30.1%が困ったと答えた「ごみ箱の少なさ」については、追加調査で具体的に尋ねたところ、91%が「ごみ箱が近くになかった」ことを挙げている。また、ごみを捨てるのに困った場所としては、「観光スポット」と「観光スポットに向かう過程」が共に48%と高い割合だった。
日本人でも、公共の場所にごみ箱がないのは不便と感じる向きも多いかもしれないが、テロ対策や家庭ごみの持ち込みが増えたことによりごみ箱が撤去された経緯があり、インバウンド旅行者にもごみ箱がないことを周知することが重要だろう。

2番目に困ったと回答した人が多い「施設等のスタッフとのコミュニケーション」については、これも具体的な場所についての追加調査の結果、「飲食店」が61%と著しく高かった。そうした場合の対応策としては、スタッフ側又は旅行者自らが「自動翻訳システムや 翻訳アプリケーション等のICTツールを利用してコミュニケーションを行った」が76%と突出して高かった。
便利と感じたのはフリーWi-Fiやクレジットカード/デビットカード利用可能な場所が多いこと
反対に便利と感じたことはなんだったのだろう。2018年度以前の調査では困ったこととして上位に入っていた「フリーWi-Fi」および「クレジットカード/デビットカード」は「利用可能な場所が多かった」との回答が多く改善されてきていることがわかる。また、「多言語表示」では「多言語対応されている場所が全般的に多かった」が、便利と感じた理由として突出して高かった。下の図版は都市部と地方部の両方を訪問した人のうち、都市部/地方部において「便利」と回答した人の回答をまとめたものだが、どちらも同様の結果となった。
また、「コミュニケーション」では、「スタッフが英語(あるいは自分の言語)を話せた」の割合が高いことに加え、「コミュニケーション機器を利用できた」ため便利と感じた割合も、都市部/地方部ともに50%を超え、重要なツールとなっていることが見て取れる。

(図版出典:令和5年度「訪日外国人旅行者の受入環境整備に関するアンケート」調査結果)
▼続きはこちら
7割の訪日客がサステナブルツーリズムを重視、台湾・タイ・インドネシアで意識高く
▼別の調査で挙げられた課題はこちら
訪日外国人が「日本で不便に思うこと」1位は? 言語の違いによる課題も明らかに
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