データインバウンド
2024年中国人旅行者の海外消費トレンド、日本での免税支出額が大幅増。ミレニアル・Z世代が牽引
2024.07.29
やまとごころ編集部買い物への支出額が大きいことで知られている中国人旅行者。中国を拠点とするマーケティング企業ドラゴン・トレイル(Dragon Trail)が、中国人旅行者の2024年の海外消費に関するトレンドを発表した。以下で一つずつ紹介する。
円安の影響で日本での免税支出額が大幅に増加
2024年、円安の影響で、日本は中国人旅行者にとって最も人気のあるショッピング先となっている。5月の労働節と6月の端午節における中国人旅行者が選んだ目的地のトップは日本であり、夏の休暇先としても最も人気のある目的地となりそうだという。
免税手続きサービスを展開する企業 、グローバル・ブルー(Global Blue)のデータによると、2024年5月の日本における中国人旅行者の免税支出は、19年同期比の258%に達した。これは5月連休期間中の中国人の免税支出全体の64%にあたり、驚異的な割合を占めていることがわかる。

一方、ユーロに対して中国の人民元が通貨として比較的弱いことも、中国人旅行者にとって東アジアが魅力的な目的地となっている要因として挙げられる。とはいえ、ヨーロッパでも中国人旅行者による免税支出は回復の兆しを見せており、2019年の約70%の水準に達している。
ヨーロッパの高級アウトレットモール「ビスター・コレクション(The Bicester Collection)」における中国からの訪客数は、コロナ禍以前の水準と比べてまだ50%の回復にとどまるものの、彼らはすでにビスター・コレクションにおける最大の顧客となっている。また、イタリア、パリ、スペインといったヨーロッパの主要都市は、依然として中国人旅行者にとって人気のアウトレットショッピング先として挙げられる。

海外消費を牽引するミレニアル世代とZ世代
グローバル・ブルーのデータによると、過去12カ月間における海外での中国人買い物客のうち57%が44歳以下で、消費額は中国人の免税支出額全体の56%を占めているという。該当世代の消費者1人当たりの平均支出額は2500ユーロ(約42万6000円)だった。コロナ禍以前は、同世代の旅行者が、買い物客全体の49%、免税支出の46%だったことを考えると、若年層が積極的に海外で買い物をするようになった変化が見て取れる。グローバル・ブルーの担当者によると、同世代の中国人旅行者は、単に商品を購入するだけではなく、デジタルでシームレスな体験を求めているという。
中国人旅行者の心を掴む鍵は体験型消費にあり
コロナ禍を経て、中国人旅行者の海外消費には二極化の傾向が見られる。富裕層の高級ブランド品への購買意欲は依然として高いままだが、一般層は高級ブランド品よりも体験型消費へシフトしている。現地のグルメ、マッサージやエステなどの美容トリートメント、コンサートへの参加、観光などにより多くのお金をかけたいと考えるようになった。
中国銀聯によると、高級ブランド品などの購入を目的とした免税店では、取引額がコロナ禍以前の水準にはまだ達していない状況である一方、より体験型消費に適したデパートは免税店よりも回復が早く、コロナ禍以前の水準を超えるケースも出ている。
同傾向は、高級ブランド業界にも波及しており、多くのブランドが店内イベントやレストランのオープンなど、体験型サービスに力を入れている。スペイン、マドリードの高級デパートガレリア・カナレハス(Galería Canalejas)でも、上記の流れを汲み取り、歴史散策ツアーやプライベートショッピング、ゴヤ美術館鑑賞とパエリアディナーを組み合わせた文化体験など、ユニークな体験型サービスを提供している。
なお、海外旅行の主要目的地における中国銀聯の平均取引額は、2019年の1908人民元(約4万440円)から、2024年5月時点で1415人民元(約2万9990円)といまだ約45%減となっている。
(1RMB=21.19円で換算)
ローカルブランドへの関心の高まり
いくつかの欧米ブランドが、かつてないほど中国市場に投資したことで、パリ、ロンドン、マドリードなどにあるブランドの中国国内での認知度が高まっている。ブランド店を訪れ、商品を購入するようになった中国人旅行者は以前より増えているが、彼らはさらに、自国では手に入らないローカルブランドに注目するようになったという。欧米ブランドにとって中国人旅行者は重要な顧客層であり、買い物経験が豊富な彼らの満足度を高めるため、買い物環境を整える必要があるとされている。
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