データインバウンド
コロナ禍を経て増加する日本人の一人旅、訪日客の決め手は「安全」や「リラックス」
2024.08.13
やまとごころ編集部英国を拠点とする国際市場調査会社ユーロモニター·インターナショナルが、世界各国を対象に消費者調査を実施。日本と、日本のインバウンド客の8割以上を占めるアジア太平洋地域の旅行者の最新トレンドを発表した。調査対象は39カ国、各約1000名に対して、2024年1月~2月にかけて行われた。
(図版出典:「ボイス・オブ・ザ・コンシューマー:ライフスタイルサーベイ」2024年版)
東アジアで増える一人旅
コロナ以降、世界の人々の旅行形態(同行者、目的など)に変化はあったのだろうか。今回の調査で「休暇で旅行に行くとき誰と行きますか」という問いに対して、世界全体では「配偶者またはパートナー」と答えた人が62.3%と最も多く、次いで「子供」の42.7%だった。、日本の回答者も、「配偶者またはパートナー」が最も多かった(48.8%)が、世界との違いで際立っていたのは、「一人で行くことが多い」と答えた人の割合が19.2%と多かったことだ。日本人の約5人に1人が一人旅をしていることとなるが、この数字は、2019年の10.4%から、5年間でほぼ倍増していることもわかった。
日本の回答者を男女別に見ると、女性で「一人で行くことが多い」と回答した人は13.5%、男性で「一人で行くことが多い」と回答した人は24.2%と、男性の方が一人旅をする割合が高くなっている。また、世代別では、「一人で行くことが多い」と回答した人は30~44歳で24.6%と、全世代の中で最も多かった。
レポートでは、一人旅を好む日本国内の消費者が増えた理由について、2023年の日本の単身世帯は全体の4割を占め、世界平均を大きく上回っているのに加え、コロナ禍を経て、東アジアでは個人主義が台頭し、日本でも「ソロ活」が注目され、一人で快適に過ごす環境が整ったことから、一人旅を好む消費者が増えていると考えられとしている。実際、中国でも高学歴の女性たちの間で一人旅が増えているとか、以前は一人で食事していると気の毒がられた韓国でも一人で旅行する人が増えているといった現状がある。
また、訪日客の8割以上を占めるアジア太平洋地域の観光客が旅行に求めるものについて聞いたところ、旅行先を決めるときに重視するのは、「安全性」に加え、「食事が美味しいところ」「自然やアウトドアの活動があるところ」「地元の文化に溶け込めるところ」という回答が上位に入り、「買い物」という理由を挙げた回答者は10%に留まった。訪日客の嗜好がコト消費よりも、モノ消費へ移りつつあるとレポートは伝える。
▼一人旅は世界的な傾向でもあるようです
2024年の4つの旅行トレンド「スポーツ観戦」「一人旅」「フレキシブルな旅」などーアメリカン・エキスプレス調査
最新のデータインバウンド
アジア太平洋の航空旅行、日本発着路線が旺盛。2025年は韓国ーベトナム、インドーUAEが急成長 (2024.12.23)
【訪日外国人数】2024年11月訪日客数318万7000人、累計数3337万人で年間過去最高を更新 (2024.12.19)
2024年アジア太平洋地域の消費トレンド、クレカ支出の3割超が旅行費用に。ミレニアル世代の支出旺盛 (2024.12.17)
世界のトップ100都市デスティネーション・インデックス2024発表、1位はパリ。3位にランクインした東京の評価ポイントは? (2024.12.12)
2024年1-9月の国際観光客数11億人突破、観光収入も大幅増。欧州などで2ケタ成長ーUN Tourism (2024.12.09)
観光立国タイの新たな一歩、同性婚法制化が年3000億円の観光収入増と予測。雇用増への影響は? (2024.12.05)
【宿泊統計】2024年9月外国人延べ宿泊者数2019年比49.8%増の1238万人泊。金沢への注目高まる石川県が伸長 (2024.12.02)
障がいを持つ人の訪日旅行に対する期待と現実の差が明らかに、正確な情報発信も課題に ーアクセシブルツーリズム調査 (2024.11.29)
航空機利用の旅行者が求める空港体験の効率化、生体認証も5割が経験ー2024年 IATA旅行者調査 (2024.11.25)