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コロナ禍を経て増加する日本人の一人旅、訪日客の決め手は「安全」や「リラックス」

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英国を拠点とする国際市場調査会社ユーロモニター·インターナショナルが、世界各国を対象に消費者調査を実施。日本と、日本のインバウンド客の8割以上を占めるアジア太平洋地域の旅行者の最新トレンドを発表した。調査対象は39カ国、各約1000名に対して、2024年1月~2月にかけて行われた。
(図版出典:「ボイス・オブ・ザ・コンシューマー:ライフスタイルサーベイ」2024年版)

 

東アジアで増える一人旅

コロナ以降、世界の人々の旅行形態(同行者、目的など)に変化はあったのだろうか。今回の調査で「休暇で旅行に行くとき誰と行きますか」という問いに対して、世界全体では「配偶者またはパートナー」と答えた人が62.3%と最も多く、次いで「子供」の42.7%だった。、日本の回答者も、「配偶者またはパートナー」が最も多かった(48.8%)が、世界との違いで際立っていたのは、「一人で行くことが多い」と答えた人の割合が19.2%と多かったことだ。日本人の約5人に1人が一人旅をしていることとなるが、この数字は、2019年の10.4%から、5年間でほぼ倍増していることもわかった。

日本の回答者を男女別に見ると、女性で「一人で行くことが多い」と回答した人は13.5%、男性で「一人で行くことが多い」と回答した人は24.2%と、男性の方が一人旅をする割合が高くなっている。また、世代別では、「一人で行くことが多い」と回答した人は30~44歳で24.6%と、全世代の中で最も多かった。

レポートでは、一人旅を好む日本国内の消費者が増えた理由について、2023年の日本の単身世帯は全体の4割を占め、世界平均を大きく上回っているのに加え、コロナ禍を経て、東アジアでは個人主義が台頭し、日本でも「ソロ活」が注目され、一人で快適に過ごす環境が整ったことから、一人旅を好む消費者が増えていると考えられとしている。実際、中国でも高学歴の女性たちの間で一人旅が増えているとか、以前は一人で食事していると気の毒がられた韓国でも一人で旅行する人が増えているといった現状がある。

また、訪日客の8割以上を占めるアジア太平洋地域の観光客が旅行に求めるものについて聞いたところ、旅行先を決めるときに重視するのは、「安全性」に加え、「食事が美味しいところ」「自然やアウトドアの活動があるところ」「地元の文化に溶け込めるところ」という回答が上位に入り、「買い物」という理由を挙げた回答者は10%に留まった。訪日客の嗜好がコト消費よりも、モノ消費へ移りつつあるとレポートは伝える。

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