データインバウンド

インバウンド旅行者の行動と訪問先ランキング 一番人気は「渋谷」、国籍地域別の傾向は?ー2023年東京都調査

印刷用ページを表示する



訪日外国人がもっとも多く訪れる東京都。2023年の東京都の宿泊者数は4363万7550人泊で、2位の大阪府(1875万5090人泊)とは大差の1位だった。その東京都が、観光産業振興に向けた施策を推進するための基礎資料として、2023年版の訪都外国人旅行者の行動特性に関する調査結果をまとめている。

調査は、訪日客を対象に2023年の四半期毎に羽田空港と成田空港でアンケートを実施。回答数1万2020票のうち、「東京を訪問した」と回答した1万1327票について集計した。
(図版出典:令和5年 国・地域別外国人旅行者行動特性調査報告書)

 

訪都外国人の特徴は?

まず、回答者の属性を見ていこう。

国籍·地域別の割合と男女比については、以下のグラフにあるように、韓国、台湾が1800名ずつともっとも多く、米国が1644名でそれに続く。全体では男性47.3%、女性48.6%だった。
     

年代は20代がもっとも多く30.8%、次いで30代が23.4%だった。また、これまでの訪日回数は、  「1回目 (今回が初めての訪日)」が32.0%ともっとも多く、次いで「4~9回目」が24.9.%、「2回目」が16.7%、「3回目」が11.6%だった。一方、これまでの訪都回数では「1回目(今回が初めての訪都)」が45.7%、2回目以上(リピーター)が51.4%だった。2回目以上の割合が高いのは、香港(71.0%)、台湾(68.1%)で、1回目の割合が高い国・地域はスペイン(82.9%)、イタリア(78.1%)、ドイツ(70.5%)だった。

東京都での宿泊数は4~6泊が40.7%でもっとも多く、次いで「3泊」19.5%、「7~13泊」17.7%、「2泊」10.6%だった。訪都目的は「観光・レジャー」が85.1%でもっとも多く、2019年より15.2ポイント増加している。

旅行形態は8割以上が個別手配で、旅行の同行者は、全体では 「家族・親族」 が 30.3%ともっとも多く、次いで 「友人」 25.5%、「自分ひとり」 20.7%だった。

 

一番訪問者が多かった場所は渋谷

続いて、東京都での訪問先を尋ねたところ、「渋谷」が67.1%で、2022年に続き1位となった。2位以下は、「新宿・大久保」が57.4%、「銀座」が50.1%と続く。さらに、「浅草」「秋葉原」「東京駅周辺・丸の内・日本橋」「上野」「原宿・表参道・青山」「池袋」「六本木・赤坂」がトップ10となった。ちなみに、2019年の1位は「新宿・大久保」だった。国・地域別での訪問場所は、それぞれ以下のグラフの通りだが、「渋谷」を1位に挙げたのは15の国・地域で、中国を除く19の国・地域では「渋谷」が3位以内に挙がっている。ちなみに、「渋谷」以外を1位に挙げたのは、台湾が「浅草」、香港が「新宿・大久保」、中国「銀座」、インドとベトナム「東京駅周辺・丸の内・日本橋」だった。

 

また、一番期待していた場所、一番満足した場所について尋ねると、期待していた場所は「渋谷」(11.6%)、「秋葉原」(9.9%)、「銀座」(5.5%)の順で多く、満足した場所も同様に、「渋谷」(11.3%)、次いで「秋葉原」(8.4%)、「銀座」(6.7%)の順だった。

一番満足した場所で行った活動については、多くのエリアで「日本食を楽しむ」を選んだ人が多い。そのほか特徴的なのは、銀座(22.5%)、原宿・表参道・青山(38.1%)、亀有・柴又(30.1%)での「服・服飾雑貨のショッピング」、浅草(40.1%)、亀有・柴又(33.0%)での「伝統建築の見学」、墨田・両国(43.6%)、渋谷(21.3%)での「高層ビル、近代的な街並み・景観・建築物の探索」、吉祥寺・三鷹(34.9%)での「美術館・博物館の探索」、吉祥寺・三鷹(21.2%)、立川(24.2%)、八王子・高尾山(58.9%)、奥多摩(76.8%)、伊豆諸島・小笠原諸島(51.8%)での「自然を感じる」などが挙げられる。

 

1人当たりの支出額は中国がトップ

続いて、東京滞在中の消費額だが、1人当たりの都内での旅行中支出額(推計値)は17万9154円(平均泊数5.2)で、2019年の13万7403円に比べ30.4%増加している。もっとも支出額が多い費目は「宿泊費」の6万545円。2019年の3万2693円に比べ、85.2%増加した。ついで「土産買物費」が5万2115円(20219年比21.9%減)、「飲食費」が3万8774(同53.5%増)だった。

1人当たり旅行中支出額がもっとも高い国・地域は中国で25万2357円(平均泊数8.9)。2019年の20万6496円に比べ22.2%増加した。

 

東京の魅力と再訪意向

また、東京の魅力について尋ねたところ、「人が親切」(58.5%)が最も多く、次いで「衛生的」(53.3%)、「治安がよい」(51.8%)だった。

訪都の満足度については、「大変満足」(43.6%)、「満足」(40.5%)、「やや満足」(6.4%)を合わせると90.5%となっている。

項目別満足度(満足・普通・不満・利用せずの4択)では、「食事施設」「おもてなし」「観光施設」について8割以上が満足と回答。一方で、「外国語でのコミュニケーション」に満足と回答したのは41.6%で、すべての項目のうちもっとも低かった。また、2019年と比較すると、全般的に満足度が低くなっているのがわかる。

最後に、再訪問意向を尋ねると、「必ず来たい」「来たい」「やや来たい」を合わせると90.6%となり、大多数が東京都への再訪を考えていることがわかった。

 

▼渋谷を拠点とするラーメンツアーも
旅ナカOTAが語る最新トレンド、訪日客に人気のラーメンツアーから紐解く 選ばれるツアー造成のポイント

▼5月の宿泊統計はこちら
【宿泊統計】2024年5月外国人延べ宿泊者数1356万人泊、2019年同月比39.4%増。石川と愛媛で引き続き好調

 

最新のデータインバウンド