データインバウンド

2024年1-9月のインバウンド消費額5.8兆円、2023年合計を上回る。Q3の1人当たり消費単価22.3万円に

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観光庁から、2024年7-9月期の「インバウンド消費動向調査」(1次速報)が発表され、消費額の推計は1兆9480億円だった。2023年同期比では41.1%増、2019年同期比では64.8%増となった。前四半期に初めて2兆円台に突入したが、今期はそれに届かなかった。とはいえ、今年ここまでの累計は5兆8582億円となり、2023年の年間インバウンド消費額5兆3065億円を上回った。これで年間の過去最高が確定したことになる。
(図版出典:観光庁【インバウンド消費動向調査】)

 

旅行消費額トップの中国、2019年水準を回復

旅行消費額を国籍・地域別に見ると、中国が5177億円(構成比26.6%)と最も大きく、2019年同期の4922億円を上回った。2位は台湾で2844億円(同14.6%)、3位韓国2285億円(同11.7%)、4位米国1860億円(同9.5%)、5位香港1677億円(同8.6%)となった。

2019年同期と比べると、今期9.7%減となったタイを除くすべての国籍・地域でプラスとなっており、前期までマイナスだった中国も5.2%増となった。

 

費目別の旅行消費額構成比では、宿泊費が33.7%(6555億円)と最も多く、次いで買物代28.9%(5622億円)、飲食費21.9%(4275億円)と続く。

 

 

1人当たりの旅行支出は22万3000円、イタリアがトップ

訪日外国人1人当たりの旅行支出は、推計で22万3195円で、前年同期比6.7%増、2019年同期比37%増となった。

国籍・地域別にみると、1人当たりの旅行支出が最も高いのは、イタリア(40万275円)。次にスペイン(38万62904円)、ロシア(35万1620円)と続く。2019年同期比でも、イタリアの伸び率が91.6%増でトップ、他にロシア(同86.9%増)、英国(同86.8%増)なども高い伸び率を記録した。

全国籍・地域の訪日外国人1人当たりの旅行支出を費目別で見ると、全目的(観光・レジャーに加え、業務や親族・知人の訪問目的で日本を訪れた外国人も含むもの)では、宿泊費が7万5739円、飲食費が4万9264円、交通費が2万4402円、娯楽等サービス費が1万491円、買物代が6万3267円となっている。

宿泊費、飲食費、交通費はイタリア、娯楽等サービス費はロシア、買物代は中国が最も高い。

一方、観光・レジャー目的に絞った場合の旅行支出額は21万7883円。2019年同期比で38.7%増となった。全目的と同様、宿泊費、飲食費、交通費はイタリアが最も高かった。

また、旅行者の平均泊数(入国日と出国日から算出)は7.1泊。平均泊数が最も長かったのは、ドイツの16.3泊、次いでフランスの14.4泊となっている。一方、最も短いのは韓国の3.7泊だった。

 
 

1-9月累計で5兆円超え

次の青い棒グラフは四半期ごとの旅行消費額の推移となっている。2022年10-12月期以降、右肩上がりで増え、2024年4-6月期は2兆円を初めて超えたが、今期はわずかに減少した。前述の通り、1月-9月の累計推計値は、2023年の年間インバウンド消費額をこの時点ですでに超え、過去最高の5兆8582億円となった。なお、訪日外国人数も1-9月の累計で2688万200人となり、2023年の年間数(2506万人)を超えている。

赤い折れ線グラフは、1人当たりの旅行支出額の推移を示している。

 
 

旅行消費額トップ5の1人当たり1泊の支出額は?

最後に、旅行消費額トップ5の国籍・地域(韓国・台湾・香港・中国・米国)の、1人1泊当たりの旅行支出を見ていく。全目的での平均値は、2万3410円。観光・レジャー目的に限った平均は、3万808円となった。

全目的では、トップ5の国籍・地域全ての支出額が平均を上回る結果となったが、観光・レジャー目的では、韓国と米国が平均を下回った。

トップ5の国籍・地域の中で、1泊当たりの支出額が最も高かったのは、全目的では香港の3万2027円、観光・レジャー目的では中国の3万7419円となった。

 
 

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