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米大手メディア ナショナルジオグラフィック「2025 年に行くべき世界の旅行先25選」に金沢を選出、その理由は?

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アメリカの大手メディア『ナショナルジオグラフィック』が「Best of the World 2025(2025年に行くべき世界の旅行先25選)」を発表、日本からは石川県の金沢が選ばれた。

「Best of the World」は、ナショナルジオグラフィックの旅行専門家チームとナショナルジオグラフィックの旅行専門誌 『NATIONAL GEOGRAPHIC TRAVELLER』の国際編集チームが選出した旅行先をリストアップしたもので、毎年、あらゆる人々に向けて旅の魅力を体験できる世界の旅行先が紹介される。

 

「本物の日本を味わえる」金沢の魅力

さて、今回選出された金沢について、同誌は、「京都は観光客が増えすぎて、歴史的な祇園地区の私道が通行禁止となるほどだが、金沢ではまだ本物の日本を味わうことができる」と評価。「京都から電車でわずか2時間、保存状態の良いこの城下町には、木造のお茶屋が立ち並ぶ芸者町、日本で最も美しい庭園の1つである兼六園、そしてドラマ『SHOGUN 将軍』に登場するような江戸時代の武家屋敷跡がある。金沢はまた、400年の歴史を持つ手作りの芸術品、金箔の産地である。『金箔屋さくだ』のような工房では、繊細な輝きを放つ金箔を使った装飾を体験することができる」と紹介している。

先週発表されたインバウンド宿泊者数でも石川県は全国で一番の伸び率を示しており、今回こうして選出されたことで、今後さらに訪問客が増える可能性がありそうだ。

 

トレッキングの楽園から、サファリの人気スポットまで

続いて、金沢の他に選ばれた24カ所について、地域別に見ていこう。

アジアでは他に、アブダビやバンコクといった大都市に加え、インドのトレッキングの楽園として注目されるラダックの秘境、スル渓谷や、パプア本島の西に位置し、世界中のダイバーにとって憧れといわれるラジャ・アンパット、さらにマレー半島を縦断する東南アジアのラグジュアリートレイン、イースタン&オリエンタル・エクスプレスが選ばれた。

アメリカ大陸から選出された旅行先は9カ所と最も多い。カナダ西部ブリティッシュコロンビア州に属し、太平洋に浮かぶ小100を優に超える島々で構成されているハイダ・グワイではハイダ族の伝統を観察できる。ブラジルの内陸中西部に広がる熱低サバンナ地帯のセラードではバードウォッチングなどを楽しむのがお勧めとのこと。また、地理学上アメリカ大陸の一部とされるが、大部分が北極圏に属するグリーンランドは首都ヌークに新しい国際空港ができ、北米へのフライトが就航したことで、アクセスがよくなった。

欧州から選出されたのは5カ所で、中でも、スコットランドの沖合にあるアウター・ヘブリディーズは、大小119の島々が鎖状に連なる列島で、映画『イニシェリン島の精霊』の舞台にもなったことで注目された。イタリアには共同体生活を重視するセノビティック修道院が200近く点在しており、修道院滞在のスピリチュアルな静けさに浸ることができる。

他に、アフリカからは新しいサファリ・スポットが人気の南アフリカのクワズールー=ナタールなど3カ所、オーストララシア(オーストラリア、ニュージーランド、ニューギニアおよびその近海の諸島を指す)からは、ニュージーランドの北島最北端にあり、希少な野生動物に出会えるノースランド地方など2カ所が選出された。

なお、2024年版では旅行中の体験にスポットを当て、ケニアの乗馬サファリ、パリ五輪大会中の市民マラソンなどと並んで、京都でのライブハウス体験もリストに入り、老舗のライブハウス「拾得」やアイリッシュパブの「フィールド」が紹介されていた。

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