データインバウンド
持続可能な都市を評価するGDSインデックスのトップ40 2024年版が発表、伸び率の高さで熊本評価
2024.11.11
やまとごころ編集部観光地がいかに持続可能であるかを世界的に評価する指標である「2024年版GDSインデックスレポート」が発表された。
4つの区分(都市運営、サプライヤーの実績、環境実績、社会発展度)に分かれた70以上の項目を基に、多角的な視点で評価が行わ、対象となる世界中の100以上の都市の中で、トップ40にランクインした都市が判明した。
なお、GDSインデックスを運用しているのは、オランダのアムステルダムを拠点とする国際会議協会(ICCA)が中心となって運営しているGlobal Destination Sustainability Movement(GDSムーブメント)だ。同団体は、国際会議や展示会など、MICE分野における各都市での持続可能性を推進しており、コンサルティングやアカデミーフォーラムなどのサービスを提供し、幅広くサポートしている。
それでは早速、同レポートの内容を見ていこう。
最も持続観光な観光都市フィンランド:ヘルシンキ、北欧が上位を占める
2024年のGDSインデックスにおいて、ヘルシンキがスコア92.43%で1位を獲得し、世界で最も持続可能な観光都市としての地位を確立した。2023年のランキングでは4位だったが、2024年は、都市運営、サプライヤーの実績、環境実績の3部門で1位、社会発展度で2位と、総合的な高評価を得ている。
ヘルシンキは持続可能な企業を支援し、観光開発のためのリソースを増やすことで、観光の社会的持続可能性の向上に投資している。また、2030年までにカーボンニュートラルを達成するという野心的な目標を掲げ、再生可能エネルギーの導入や低排出交通システムの構築を進めるなど、環境面での取り組みを積極的に行っている。ヘルシンキ地域では、バス車両の30%以上が電化され、今後10年間で30kmを超える新しい路面電車の導入も予定されている。
観光分野では、インクルーシブ・ツーリズムの開発や、観光開発への地域住民の参加を促進することで、多様な人々にとって魅力的な観光地作りが目指されている。持続可能な企業を支援し、観光開発のためのリソースを増やすことで、観光の社会的持続可能性を高めている点も注目に値するだろう。
アジア太平洋地域から5都市がランクイン
2位はスウェーデンのヨーテボリ(インデックススコア90.83%)。次いで、デンマークのコペンハーゲン(同88.19%)、ノルウェーのベルゲン(同86.49%)、デンマークのオーフス(同85.68%)と続き、トップ5を北欧都市が独占する結果となった。
また、アジア太平洋地域からも複数の都市がランクインしており、シンガポールが7位、シドニーが10位、韓国の高陽市が16位、オーストラリアのメルボルンが34位、タイのソンクラーが34位に入っている。
地下水の豊富さが特徴の熊本、伸び率の高さで評価高
日本の都市は、トップ40には入らなかったものの、前年度からの伸び率が評価される、Most Improved Destination Awardを熊本が受賞。前年比18.88ポイント増のスコアを記録し、顕著な成長を示した。なお、同賞の3位には高松市もランクインしている。
地下水の豊かさから「水の都」として知られる熊本は、水管理プログラムの優位性に加え、将来を見据えたモビリティ計画、サプライヤーとの循環経済の実践、多様性・公平性・包摂性に関する研修の実施など、総合的な持続可能性戦略が高く評価された。
▼幸福度ランキングでも北欧勢は上位
2024年世界幸福度ランキング 1位は7年連続フィンランド、日本は51位に後退。世代間格差大きく
最新のデータインバウンド
【訪日外国人数】2024年11月訪日客数318万7000人、累計数3337万人で年間過去最高を更新 (2024.12.19)
2024年アジア太平洋地域の消費トレンド、クレカ支出の3割超が旅行費用に。ミレニアル世代の支出旺盛 (2024.12.17)
世界のトップ100都市デスティネーション・インデックス2024発表、1位はパリ。3位にランクインした東京の評価ポイントは? (2024.12.12)
2024年1-9月の国際観光客数11億人突破、観光収入も大幅増。欧州などで2ケタ成長ーUN Tourism (2024.12.09)
観光立国タイの新たな一歩、同性婚法制化が年3000億円の観光収入増と予測。雇用増への影響は? (2024.12.05)
【宿泊統計】2024年9月外国人延べ宿泊者数2019年比49.8%増の1238万人泊。金沢への注目高まる石川県が伸長 (2024.12.02)
障がいを持つ人の訪日旅行に対する期待と現実の差が明らかに、正確な情報発信も課題に ーアクセシブルツーリズム調査 (2024.11.29)
航空機利用の旅行者が求める空港体験の効率化、生体認証も5割が経験ー2024年 IATA旅行者調査 (2024.11.25)
【訪日外国人数】2024年10月訪日客数331万2000人 単月最高を記録、累計は過去最速で3000万人を突破 (2024.11.21)