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【宿泊統計】2024年9月外国人延べ宿泊者数2019年比49.8%増の1238万人泊。金沢への注目高まる石川県が伸長

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観光庁が発表した9月の宿泊統計(第2次速報)によると、外国人延べ宿泊者数は2019年同月比で49.8%増の1238万人泊だった。日本人延べ宿泊者数は同2.0%増の4133万人泊となり、合計した全体の延べ宿泊者数は同10.1%増の5371万人泊。延べ宿泊者全体に占める外国人宿泊者の割合は23.0%だった。

また、10月(第1次速報)の外国人延べ宿泊者数は、2019年同月比で49.0%増の1529万人泊、日本人延べ宿泊者数は同12.6%増の4481万人泊、合計した全体の延べ宿泊者数は同20.1%増の6011万人泊となる見込みとなった。

 

2019年比で石川が堅調。福島、愛媛、福岡も好調

都道府県別の外国人延べ宿泊者数では、東京都が438万3160人泊(2019年同月比89.3%増)で1位。次いで大阪府(192万4660人泊、同49.0%増)、京都府(130万7850人泊、同41.9%増)、沖縄県(79万50人泊、同20.1%増)、北海道(62万7200人泊、同47.4%増)と続いた。

外国人延べ宿泊者数を2019年同月との伸び率でみると、石川県が143.3%増でトップ、次いで福島県128.9%増、愛媛県123.3%増、福岡県115.7%増、岐阜県94.2%増だった。3月から100%超えの伸び率をキープしている石川県は9月も堅調だ。米有力旅行メディア「ナショナルジオグラフィック」が発表した「2025年に行くべき世界の旅行先25選」や、高所得層を読者にもつ大手旅行雑誌「コンデナスト・トラベラー」による「優れた取り組みを行っている12の旅行先」に、金沢が選ばれており、世界的に注目されている。

8月に100.8%増だった福岡は、9月も115.7%増と高い伸び率を維持する結果となった。福岡市は11月、福岡国際空港の国際線の旅客者数が410万人と、4〜9月期で過去最高となったことを発表した。25年3月には国際線ターミナルビル寄りに建設された第2滑走路の運用が始まり、今後も旅客者数の増加が見込まれる。

三大都市圏(※1)と地方部の伸びを2019年同月比でみると、それぞれ56.6%増、36.1%増となった。8月に二桁台に突入した地方部の伸び率は9月も引き続き好調を維持している。

また、日本人も含めた全体の延べ宿泊者数(都道府県別)は東京都882万5230人泊(2019年同月比33.8%増)で1位。以下、大阪府、北海道、沖縄県、京都府、千葉県の順だった。

 

豪州からの延べ宿泊者数、香港を上回り5位に

国籍(出身地)別外国人延べ宿泊者数は、1位が中国(203万60人泊)、2位が韓国(130万7240人泊)、3位が台湾(128万2300人泊)、4位が米国(103万6110人泊)、5位がオーストラリア(48万9600人泊)となり、この上位5カ国・地域で全体の61.1%を占める。2019年同月比で常に高い伸び率を示していたオーストラリアが香港を交わして、上位5カ国・地域に入る結果となった。

2019年同月比では、ベトナム、タイ、中国、イギリス以外はすべて上回っている。特に韓国(284.0%増)、カナダ(121.4%増)、ドイツ(105.9%増)で好調だった。

▶︎国籍(出身地)別外国人延べ宿泊者数(2024年9月[第2次速報])

また、観光庁が11月8日に発表した主要旅行業者43社・グループの9月分の旅行取扱状況速報では、総取扱額は対2019年同月比74.7%の3203億6807万円となった。

内訳をみると、海外旅行は同70.7%の1204億9322万円、国内旅行は同78.2%の1845億8857万円、外国人旅行(日本の旅行会社によるインバウンド向けの旅行取扱い)は同68.3%の152億8628万円だった。2019年同月比では、海外、国内、外国人旅行のいずれも下回る結果となった。

※1 )三大都市圏とは、「東京、神奈川、千葉、埼玉、愛知、大阪、京都、兵庫」の8都府県を、地方部とは、三大都市圏以外の道県をいう。

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