データインバウンド

空港、航空会社の定時運航ランキング2024年版発表、メキシコ・アエロメヒコ航空が首位。空港トップはリヤド空港に

2025.01.14

印刷用ページを表示する



航空業界のデータ分析を提供するCirium(シリウム)が2024年版「定時運航ランキング(Cirium On-Time Performance Review)」を発表した。このランキングは、航空会社と空港の定時運航の実績を評価するもので、今回で16年目を迎える。航空会社の定時運航は「ゲート到着予定時刻から14分59秒以内に到着した便」、空港は「出発予定時刻から14分59秒以内に出発したフライト」と定義される。

それでは、注目の結果を見てみよう。

 

グローバル1位はアエロメヒコ航空、APAC部門で日本航空1位、全日空2位

「グローバル・エアライン」の栄誉あるタイトルを獲得したのは、創立90周年を迎えたアエロメヒコ航空だ。同航空会社は、2024年に86.70%という高い定時到着率を記録。同社が世界で最も信頼性の高い航空会社の一つとして認められたのは機材の最新化と技術進歩への戦略的投資によるもので、過去1年間で、保有機材を113機まで拡大したほか、さらに16機を発注中とのこと。平均機齢はわずか7.1年と業界でも最も新しく、最も燃費が良い機体を使用している。なお、アエロメヒコ航空は日本では成田ーメキシコシティ便が週7便で就航、中南米への乗り継ぎとしても利便性があるとされている。

グローバル部門では、サウジアラビア航空が2位(86.35%)、デルタ航空が3位(83.46%)と続いている。 デルタ航空は、総合して優れた航空会社に贈られる「プラチナム・アワード(最優秀運航実績賞)」を4年連続で受賞している。

そのほかトップ10の顔ぶれは表の通り。2023年版では7位に全日空、8位に日本航空が入ったが、今回はトップ10入りを逃した。とはいえ、APAC地域では、日本航空が定時到着率80.90%(フライト総数314,774)で1位、全日空が80.62%(303,464)で2位だった。

地域ごとではほかに、コパ航空(パナマ/中南米)、デルタ航空(アメリカ/北米)、イベリア・エクスプレス(スペイン/ヨーロッパ)、フライサフェア(南アフリカ/中東・アフリカ)がトップとなった。格安航空部門では、イベリア・エクスプレス(ヨーロッパ)が高い定時性を示した。

 

空港部門:リヤド空港がグローバル1位、日本の空港も健闘

「定時出発率」をもとに順位付けが発表される空港のランキングは、規模別に、「グローバル空港」「大規模空港」「中規模空港」「小規模空港」に分かれる。

ちなみに、「グローバル空港」は、運航された月間フライト総数で上位10%に入り、自国を含めて、アジア太平洋、ヨーロッパ、北米など3エリア以上に運航している空港が対象となる。

今回、サウジアラビアの首都への玄関口であるリヤド・キング・ハリド国際空港が、86.65%という驚異的な定時出発率を記録し、栄えある「グローバル空港」のトップに輝いた。2位以下では、ペルー、メキシコ、アメリカと、アメリカ大陸の空港の健闘が光った。また、日本の空港では前年10位だった羽田空港が18位、関西国際空港が20位に入った。

このほか、日本の空港では、「大規模空港」部門19位に福岡空港、「中規模空港」部門3位に大阪国際空港(伊丹空港)、「小規模空港」部門8位に中部国際空港がそれぞれランクインしている。

 

新設の空港版プラチナム・アワード、初代受賞空港はボゴダの空港

2024年版では、空港にも「プラチナム・アワード」が新設され、初代受賞空港としてコロンビアのエルドラド国際空港が選ばれた。 この賞は定時運航率だけでなく、旅客への影響、運営の複雑性、成長性といった幅広い要素を評価するもので、空港運営の新たな指標となる。

シリウムCEOのジェレミー・ボウエンは総評として、「2024年は大規模なIT障害や季節外れの悪天候に直面し、航空会社にとって困難な年だったが、今回表彰された航空会社と空港は顧客がスムーズに目的地へ到達できるよう尽力した」と述べ、その卓越した運航実績を称えた。


▼2023年版のランキングはこちら

2023年定時運航ランキング 航空会社部門トップ10にANAとJAL、伊丹空港が中規模空港1位

最新のデータインバウンド