データインバウンド
世界で最も安全な航空会社ランキング2025、ニュージーランド航空が2年連続で首位。日本のエアラインの順位は?
2025.02.13
やまとごころ編集部韓国の済州航空やアゼルバイジャン航空の墜落事故など、最近相次いだ航空事故を受けて、安全な空の旅への関心が高まっている。そんな中、世界の航空会社の安全性を評価するサイト「AirlineRatings.com」が、毎年恒例の「2025年・安全な航空会社ランキング」を発表した。
同サイトは、航空会社385社の安全性と機内プロダクトを独自の7つ星評価システムで格付けしており、レポート作成にあたっては、最近の死亡事故から、ICAO(国際民間航空機関)やIATA(国際航空運送協会)の認監査、業界をリードする安全への取り組み、機体年齢など、幅広い要素を考慮している。 ただし、バードストライク、乱気流による負傷、天候による迂回などは、航空会社がコントロールできないため、レポートでは除外している。
ニュージーランド航空が2年連続1位、カンタス航空と僅差
2025年版で最も安全な航空会社に選ばれたのは、2年連続で受賞したニュージーランド航空だった。 山岳地帯のクイーンズタウン空港など、厳しい環境下での運航実績を持ち、重大事故のない優れた安全記録が評価された。
2位も2年連続で、オーストラリアのカンタス航空だった。AirlineRatings.comのシャロン・ピーターセン最高経営責任者(CEO)によると、「ニュージーランド航空とカンタス航空の1位争いは今回も非常に接戦で、両社の差はわずか1.5ポイント。カンタス航空は最近、いくつかのインシデントに見舞われ、それが最終的に勝敗を分けた。また、両航空会社とも最高の安全基準とパイロット・トレーニングを維持しているが、ニュージーランド航空はカンタス航空よりも若い機材を保有しており、それが有利な点だった」と話した。
続く3位には、キャセイパシフィック航空、エミレーツ航空、カタール航空の3社が並んだ。ピーターセンCEOによると、「機体年齢からパイロットの技量、安全対策、機体規模、インシデント発生件数まで、両社のスコアは同じだった」とのことだ。
日本勢では、全日空が8位、日本航空が21位だった。
今年のリストで注目すべき点はまず、大韓航空が2024年から2ポイント上昇し、トップ10入り、また、ベトナム航空は24位に入り、初めてトップ25入りを果たしたことだ。さらに今年は2つの主要航空会社、シンガポール航空(2024年13位)とKLMオランダ航空(2024年19位)がランクイン外になっている。 ピーターセンCEOによれば、これらの航空会社は「極めて安全」だが、2024年5月のシンガポール航空便の乱気流事故や、2024年12月のKLMオランダ航空便の滑走路外滑走などの事故により、惜しくもトップ25入りを逃したという。
事故から学ぶ航空安全
事故は航空業界全体で日々発生しているが、パイロットや乗務員の専門知識によって、その出来事が事故で終わるか、悲劇に発展するかが決まることが多い。
レポートによれば、2024年1月に羽田空港で発生したJAL516便の衝突事故はこのことを例証しており、高度な技術を持つ乗務員と手順の順守の重要性を浮き彫りにしたと指摘。
「乗務員は厳しい訓練を効果的に適用し、乗客は手荷物を機内に残すなどの安全手順を守った。もし能力が劣っていたら、この事故は大惨事になっていたかもしれない。私たちにとって、このような事故は航空会社の安全性を飛躍的に高める機会となりうる」とした。
LCC部門のトップは香港エクスプレス、新顔も続々
続いて格安航空会社を見ていこう。2024年はトップ20までの発表だったが、2025年はフルフラッグキャリアと同様トップ25が発表されており、ランキングにも大きな変化があった。
1位となったのは2024年のトップ20には入っていなかった香港エクスプレスだ。レポートによると、アジアを拠点とするこの航空会社は重大な事故を起こしておらず、ほぼ完璧な安全記録を維持、平均使用年数がわずか7年という最新鋭の機材でも際立っているとのことだ。
香港エクスプレスのもうひとつのセールスポイントは、キャセイパシフィック航空の子会社である点で、「安全への強いコミットメントを持つ有名な組織であるキャセイパシフィック航空との提携で、その評判をさらに確固たるものにしている」とピーターセンCEOは言う。
今年新たにリストに加わったのは、Jet2(14位)、ZipAir(23位)、エア・バルティック(25位)で、アメリカのスピリット航空が脱落した。スピリット航空は2024年11月に連邦破産法第11条の適用を申請し、財政再建と負債削減を図っている。
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