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知る人ぞ知る日本の魅力! 外国人が見つけた隠れた名所ーBounce調査

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2025年の旅行トレンドについてよく耳にするのが、旅行者のあまりいない場所での体験を希望する声だ。日本はそのようなニーズを満たす国としてぴったりだとして、荷物一時預かりサービスを提供するBounceが「まだ知られていない日本の至宝」というレポートで紹介している。

ランキングを作成するに当たっては、トリップアドバイザーに掲載されている各都市と地域の「観光名所」と「隠れた名所」の数から、各都市と地域内の「隠れた名所」の割合を算出したという。

では、どのような地域や場所が隠れた名所とされているのか、見ていこう。

 

都市別ランキング:隠れた名所が多い街

まず、「隠れた名所が多い日本の都市」のトップ5は以下の通り。

1位になったのは奈良市だ。同市の観光スポット数499に対し、隠れた名所は9カ所で、その割合は1.8%だった。その1つが、東大寺と興福寺の間にある吉城園(よしきえん)。万葉集にも詠まれた吉城川に隣接し、興福寺塔頭跡に造られた日本庭園と離れ茶屋から成り、春日山、若草山を借景として取り入れている。入り口がメインの通りに面していないこともあり、知る人ぞ知る名所とのこと。

2位は京都市で、隠れた名所の割合は 1.53%。68の隠れた名所の1つが、同市右京区、嵯峨野嵐山のさらに奥に位置する愛宕念仏寺(おたぎねんぶつじ)。もとは奈良時代に東山に愛宕寺として建てられた古刹で、大正時代に、嵯峨に愛宕念仏寺として再興された。また、嵐山にある昭和の名優・大河内傳次郎が約30年の歳月をかけて創りあげた庭園「大河内山荘庭園」も名前が挙がっている。

3位は金沢市だ。トリップアドバイザーには724の観光スポットが掲載されており、そのうちの1.10%が隠れた名所となっている。 必見のスポットの1つは、金沢の古い芸者町の1つ、主計町(かずえまち)茶屋街だ。観光客で賑わうひがし茶屋街よりも静かで、多くのレストランや茶屋があり、旅行者に本物の伝統的な日本体験を提供していると紹介されている。 

 

地域別ランキング:穴場観光スポットを探す

続いて、エリア別のトップ5は以下の通り。


1位の関西地方は、エリア別では日本で最も多い131の隠れた名所があり、全観光スポットの0.64%にあたる。京都府伊根町の舟屋や、嵐山エリアのあだし野念仏寺などが紹介されている。

2位は関東地方。トリップアドバイザーに掲載されている2万9112の観光スポットのうち、0.49%が隠れた名所とされている。 猫好きには、招き猫の置物が無数にあることから「猫の寺」とも呼ばれる東京都世田谷区の豪徳寺、 車好きには、1930年代の車が展示されている座間市にある日産ヘリテージコレクションの名前が挙がった。

九州、沖縄地方は、あまり知られていない観光スポットが日本で3番目に多い地域で、 沖縄の美らヤシパークオキナワ・東南植物楽園では、1300種以上の熱帯・亜熱帯植物と50種以上の動物が飼育されている。 また、福岡県篠栗町には南蔵院があり、ブロンズ製としては世界最大級の釈迦涅槃像があると紹介されている。

 

Google検索で注目、隠れた名所は東京にあり

最後にGoogle検索の検索数が多かった「隠れた名所」トップ5は以下の通り。

1位は下北沢で、年間グーグル検索数は224万7000件。「日本で最も人気のある隠れた名所」とレポートは伝える。下北沢は古い東京の雰囲気を持つ文化的な街で、壁画が描かれた細い路地には、おしゃれな古着やレコード店がたくさんあり、カフェやベーカリー、ビストロも充実している。 本多劇場の本拠地でもあり、定期的に最先端の演劇が上演されていると紹介された。

前項でも名前が挙がった豪徳寺は、過去12カ月で140万回弱の検索数を記録し、2位となった。世田谷の雑踏の中にひっそりと佇む「猫の寺」は、「招き猫」発祥の地で、フォトジェニックなスポットという。

3位は東京都中野区にある中野ブロードウェイで、過去12カ月間の検索回数は130万回を超えた。東京にあるこのショッピングセンターは、特に2階と3階にあるアニメグッズやマンガを扱うショップが充実していることで有名だ。1階には衣料品、靴、中古品を扱う店もあると紹介されている。

以上、レポートの内容を紹介したが、今回、ランキングで取り上げられた中には、すでに大勢のインバウンド旅行者を見かけるスポットもいくつかあっただろう。この際、彼らを惹きつける魅力を探しに、自ら足を運んでみるのも、1つの手ではないだろうか。

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