データインバウンド
2025年5月の訪日客数、閑散期でも360万人超え。韓国累計400万人突破
2025.06.19
やまとごころ編集部日本政府観光局(JNTO)は6月18日に2025年5月の訪日外国人数(推計値)を発表した。
訪日客数、前年比21.5%増の369万人、中米フィリピンなどで大幅増
5月の訪日客数は前年同月比21.5%増の369万3300人となり、5月として初めて360万人を超え、2024年5月の304万294人から50万人以上増となった。
例年、桜シーズンと夏休みの中間で落ち着く傾向がある5月だが、一部の市場で祝日やスクールホリデーが重なり訪日需要が増加。特に中国、フィリピン、アメリカからの伸びが全体を押し上げた。
市場別動向、トップは韓国、21市場で5月として過去最高を2記録
市場別では、韓国が最も多く82万5800人。次いで中国78万9900人、台湾53万8400人、アメリカ31万1900人、香港19万3100人と続いた。中国は航空便の増便や大型連休(労働節・端午節)などが影響し、前年比44.8%増と大きく伸びた。
このほか、韓国や台湾、アメリカなど主要市場に加え、ロシア、中東、北欧地域など計21市場で5月として過去最高を記録。インドでは単月過去最高(前年比47.9%増)を更新した。
2024年5月と比較した伸び率では、ロシアが139.9%増と最も高く、次いで中東(65.6%増)、スペイン(55.0%増)が好調だった。一方、香港は地震に関するSNS情報の影響などもあり、前年同月比11.2%減と唯一マイナスを記録した。
累計値で韓国400万人超え、中国市場回復続く
2025年1〜5月の累計訪日客数は1814万人で、前年同期比23.9%増。市場別では韓国が最多の405万3600人、中国392万300人と続いている。中国は前年同期比62.9%増と大きく回復し、パンデミック後の停滞から脱しつつある。
前年比の伸び率では、ロシアが102.4%増でトップ、次いで中国が62.9%増、中東地域が60.9%増だった。なお、2024年比でマイナスを示す国・地域はなく、4月までの累計傾向と同様の結果となっている。
日本人のアウトバウンド数、4月に続き2桁増で回復続く
一方、5月の日本人のアウトバウンドは107万6800人で、前年同月比14.3%増となった。1月以降5カ月連続で前年を上回り、回復基調が続いている。前月の8.2%増から再び2桁の伸びとなり、海外旅行需要の持ち直し傾向がみられる。
*JNTOによる訪日外国人とは、法務省集計による外国人正規入国者から、日本を主たる居住国とする永住者等の外国人を除き、これに外国人一時上陸客等を加えた入国外国人旅行者を指す。駐在員やその家族、留学生等の入国者・再入国者は訪日外国人数に含まれるが、乗員上陸数は含まれない。
<編集部コメント>
閑散期の需要を掘り起こすヒント
今回の5月の訪日客数増は、「閑散期」にも関わらず祝日や航空便の増便などにより、需要が喚起できることを示している。とくに中長距離市場では混雑期を避けた訪問傾向が強いとみられ、オフピークにこそ質の高い体験や長期滞在型商品の訴求が有効となる可能性がある。 ターゲットとする市場の連休やスクールホリデーに照準を合わせ、滞在中の安心感や利便性を高める情報発信・接客対応なども、今後の戦略を立てる際の視点の一つとなり得るだろう。
出典:日本政府観光局 訪日外客数2025年5月推計値
▼関連記事はこちら
最新のデータインバウンド
-
中国で加速するAI観光 旅の全行程に広がる活用、企業・行政も本格参入 (2025.08.07)
-
「豪華さ」よりも「意味ある旅」へ、変化するアジア太平洋富裕層の旅行動向 (2025.08.05)
-
2025年5月の訪日宿泊者数、鳥取・宮崎で高い伸び率。クルーズ寄港や航空増便が後押し (2025.08.01)
-
ビザなし渡航国ランキング 日韓2位並ぶ。インド・サウジ急浮上、米英後退 (2025.07.29)
-
出張は「会う」ために、ミレニアル・Z世代の対面志向が鮮明に (2025.07.28)
-
Z世代は「アラカルト型贅沢」志向、旅で重視する5つの要素とは? (2025.07.23)
-
2025年の訪日消費、上半期4.8兆円で過去最高、単価横ばいに課題も (2025.07.22)
-
2025年6月の訪日客数337万人、1-6月の累計2151万人。前年同期を370万人超上回る (2025.07.17)
-
AIが旅の選び方を変える、旅行業界が注視すべき3つの消費行動の変化 (2025.07.15)