データインバウンド
2025年インバウンド消費額9.5兆円で過去最高を更新。1人当たり旅行支出は22.9万円、ドイツが39万円台でトップ
2026.01.26
やまとごころ編集部観光庁が1月21日に発表したインバウンド消費動向調査(速報)によると、2025年の訪日外国人旅行消費額は前年比16.4%増の9兆4559億円に達し、過去最高を更新した。訪日外国人(一般客)1人当たりの旅行支出も22万9000円(前年比0.9%増)と高水準を維持している。
消費額9.5兆円に到達、市場の拡大続く
2025年の訪日外国人旅行消費額は、年間を通じて堅調に推移した結果、9兆4559億円(推計)となった。これは2024年の実績を約1.3兆円上回る数字であり、インバウンド市場が依然として拡大の途上にあることを示している。年間訪日客数が4268万人と前年比15.8%増の大幅な伸びを見せたことが、消費総額を力強く押し上げた。
このペースでの成長が続けば「10兆円」の大台到達は目前で、政府が掲げる2030年に消費額15兆円の目標も十分に視野に入る。

中国が2兆円超えでシェア首位、ドイツなどの欧州勢が急伸
国・地域別の消費額を見ると、中国が2兆26億円(構成比21.2%)でトップとなり、唯一2兆円の大台にのった。次いで台湾が1兆2110億円(同12.8%)、アメリカが1兆1241億円(同11.9%)、韓国が9864億円(同10.4%)、香港が5613億円(同5.9%)と続き、上位5カ国・地域で全体の6割以上を占めている。
伸び率で注目すべきは欧州市場だ。ロシアは前年比70.4%増(543億円)、ドイツは同58.3%増(1661億円)、イタリアは同34.0%(1101億円)と大きく成長、東南アジアでもベトナムが同48.5%増(2040億円)、インドが同39.6%増(784億円)と、特定の市場において顕著な拡大が見られた。

費目別の構成比では、宿泊費が36.6%(3兆4617億円)で最も多く、次いで買物代が27.0%(2兆5490億円)、飲食費が21.9%(2兆711億円)となった。2024年と比較すると、宿泊費の構成比が3ポイント上昇している一方で、買物代の構成比は低下しており、インフレや高付加価値化に伴う宿泊単価の上昇が消費総額を押し上げている構図が浮かび上がる。

1人当たりの支出額、ドイツ、英国、豪州が39万円台で並ぶ
1人当たりの平均旅行支出は22万8809円(前年比0.9%増)となった。
国籍・地域別に見ると、最も高かったのはドイツの39万3710円(前年比18.2%増)で、2024年から宿泊数で1.7泊、金額で6万円ほど増えた。次いでイギリスが39万391円、オーストラリアが39万48円と続き、これら3カ国がいずれも39万円台という高い水準で並んだ。

費目別の詳細では、宿泊費に最もお金をかけているのはイギリスの19万2573円で、1人当たり支出総額の約半分を占めている。平均泊数が14泊台とほぼ同水準のスペインよりも約3.6万円、カナダよりも約6万円多く、イギリスの宿泊単価の高さが際立った 。娯楽等サービス費ではオーストラリアが3万5447円と突出しており、アクティビティへの関心の高さが伺える。買物代はシンガポールが10万816円でトップとなり、アジア圏の富裕層による購買意欲の高さが数字に表れた 。
また、平均泊数を見ると、全体平均は9.5泊と前年から0.5泊増加した。ドイツ(18.0泊)、フランス(18.4泊)、インド(17.9泊)など、長期滞在を伴う市場の好調が1人当たり支出を支えている。
地方分散と高付加価値化が今後の焦点に
2025年の調査結果は、消費額・客数ともに過去最高を更新し、インバウンド市場の盤石な回復と成長を証明するものとなった。今後は、1人当たり支出額の高い欧米豪市場のさらなる取り込みに加え、これら旅行者の地方への誘致、そして滞在満足度を高めることで消費単価をさらに引き上げる施策が、2026年以降の持続的な成長の鍵となりそうだ。
2025年10-12月期の消費額は2兆5330億円
なお、同時に発表された2025年10-12月期の訪日外国人旅行消費額は推計で2兆5330億円で、2024年同期比10.3%増となった。同年4-6月期の2兆5043億円を上回り、四半期として過去最高を更新した。
国・地域別の旅行消費額では、中国が最も多く、3534億円で全体の14.0%、2位はアメリカで3265億円(構成比12.9%)、3位は台湾3067億円(同12.1%)、4位は韓国2717億円(同10.7%)、5位は香港1597億円(同6.3%だった)。

【編集部コメント】
欧州・長期滞在客の伸長が後押し、インバウンド消費10兆円目前
2025年の訪日外国人消費額が過去最高を更新し、1人当たり支出も高水準を維持している。中でも欧州勢の急伸や長期滞在国の増加は、質の高い旅行需要の広がりを示している。今後はこうした旅行者を地方へと導き、宿泊や体験を軸にした高付加価値な観光コンテンツへの接続がカギとなる。インフレや円安を背景に、単価上昇を機会に変える発想が求められるだろう。
(出典:インバウンド消費動向調査 2025年暦年の調査結果(速報)の概要)
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