インバウンドニュース
インバウンド注目ニュースTOP5(4/29~5/12)
2017.05.15
1位
2月延べ外国人宿泊数 東北での伸びが顕著
カナダ、スペインなど欧米諸国も増加のけん引に
4月28日、観光庁が発表した宿泊旅行統計調査結果によると、2017年2月の延べ宿泊者数(第2次速報)は3585万泊で、前年同月比の2.6%減となった。また、外国人宿泊者数は全体の16%の576万泊であり、対前年同月比で5.6%減となった。これは、昨年は2月だった春節の期間が、今年は1月下旬から始まったことの影響と考えられており、1~2月の合計でみると前年同期比は1.0%増となった。
2月の都道府県別の外国人宿泊数の伸び率は、1位が秋田で168.4%増、青森が2位で100.8%増、福島が3位で86%増と東北の伸びが著しい。国籍別の伸び率では、1位フィリピン、2位インドネシア、4位ベトナムと東南アジアの伸び率が著しいが、一方で3位カナダ、5位スペインと欧米諸国も一部伸びを見せている。
また、3月の延べ宿泊者数(第1次速報)は4226万泊で、前年同月比の0.4%増、うち外国人宿泊者数は607万泊で3.7%増となった。
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2位
4月百貨店売上、4社でプラス インバウンド消費がけん引
5月1日、百貨店大手5社が2017年4月の売上速報を発表した。三越伊勢丹ホールディングスを除く4社が、前年実績を上回った。
大手5社の内、前年同月比2.9%増と最も高い伸びを見せた高島屋では、免税売り上げ率の高い大阪店が8.8%増だった。高島屋全体の免税売り上げも、37.3%増と変わらず好調ぶりを発揮している。
また、大丸と松坂屋のJ・フロントリテイリングも、化粧品やラグジュアリブランドなどを中心に訪日外国人の購買が活発であり、免税売り上げ率の高い心斎橋店で3.9%増、札幌店5.2%増、東京店で7.1%増など高い伸びを見せ、全体でも1.1%増となった。
阪急百貨店・阪神百貨店を傘下に持つエイチ・ツー・オー リテイリングでは、特にリピーターが増えている化粧品を中心に消耗品が高い伸びを見せ、インバウンド売上は件数・金額ともに25%増と好調だったほか、そごう・西部でも1.5%増となった。
三越伊勢丹ホールディングスは、0.1%の減収となったが、化粧品など中心に好調なインバウンド売上は、3月に続き前年を上回った。
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3位
観光庁、地方誘客に向けてテーマ別観光を選定
アニメ、サイクリング、忍者など7つのテーマを新たに追加
4月28日、観光庁は「テーマ別観光による地方誘客事業」のテーマについて、2016年度より継続選定した6件に加え、7件を新たに選定した。
「テーマ別観光による地方誘客事業」は、国内外の観光客に対して、より魅力的な旅行を提供し地方誘客への動機づけを行うこと、また、特定の観光資源を通じて複数地でのネットワークを構築し、共同での誘客に取り組み課題や成功事例を共有することを目的として、2016年から始まった取り組み。
昨年からの継続テーマである酒蔵ツーリズム、ロケツーリズム、エコツーリズムなどの6テーマに加え、アニメツーリズム、サイクルツーリズム、忍者ツーリズムなど7テーマが加わり、合計13件が対象となる。
今後は、選定されたテーマに関するマーケティング、周遊プラン作成、共同プロモーション、共通マニュアルの作成、Webサイトの開設といった必要経費に対して支援を行う。
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4位
ホテル業界 リスク回避に向けて外国人受け入れに工夫を
ホテル業界がリスク回避に向けて外国人受け入れに関して様々な工夫をこらしている。
政変や経済危機、新型インフルエンザの流行などをきっかけにキャンセルが相次ぐリスクがあることを鑑みて、各ホテルが外国人の受け入れを調整し始めている。
リーガロイヤルホテル大阪では、海外からの団体客向けの部屋数を調整、ホテルグランヴィア京都では、外国語サイトと日本語サイトで部屋数を調整するなどして、外国人比率を3割程度に保つように工夫している。また、外国人数の制限は行わないものの、国の分散に取り組むホテルもある。阪急阪神ホテルズでは、訪日外国人数の多い中国、韓国、台湾だけでなく東南アジアからの宿泊客を増やす目的で、昨年1月にシンガポールに営業所を設置した。また、アパホテルでは、1国からの宿泊客の予約数を1割以内に抑えるよう調整している。
さらに、混雑によるトラブル防止策を講じているホテルもある。東横インでは、個人宿泊客に団体客の朝食時間を伝えて、レストランの混雑緩和を促したり、帝国ホテル大阪では、団体客と個人客のチェックイン場所を分けて、スムーズに受付できるようにしている。
延べ宿泊者数は対前年比でマイナスに転じているが、訪日外国人客数は順調に過去最高を更新続け、引き続き増加することが予想されている、宿泊客数の減少は旅行の短期間化や、民泊、夜行バス、クルーズの活用など宿泊統計に現れない利用の増加などが考えられる。さらに、新規ホテルの開業、民泊の解禁など宿泊業界における競争激化が予想される中で、どのようにして顧客の心をつかみ、再訪に繋げるかもカギになりそうだ。
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5位
文化庁、日本遺産を新たに17件追加 地方への誘客へ期待が膨らむ
文化庁は、4月28日、2015年より地方の観光振興を図ることを目的として制定した「日本遺産」について、新たに17件を認定した。
日本遺産(Japan Heritage)は、地域の歴史的魅力や特色を通じて我が国の文化・伝統を語るストーリーを「日本遺産」として文化庁が認定する。
世界遺産や文化財と日本遺産の大きな違いは、その目的にある。世界遺産や文化財はいずれも、登録・指定される文化財の価値づけ、および保護の担保が狙いだが、日本遺産は、地域に点在する遺産を「面」として活用し発信することで、地域活性化につなげることを目指している。そのため、認定にあたっては、国指定・選定文化財を含むあらゆる無形・有形の文化財をふまえたストーリーが必要となる。
ストーリーは、ただ単に地域の歴史や文化財の価値を説明するだけのものではなく、地域に根ざし、世代を超えて受け継がれる伝承、風習などをふまえている必要がある。また、その中核に、地域の魅力を発信する明確なテーマが設定され、地域に根ざして継承・保存されている文化財に関わるものが据えられていなければならない。
今回認定されたのは、三重県伊賀市と滋賀県甲賀市が申請した「忍びの里 伊賀・甲賀-リアル忍者を求めて」や、大分県中津市と玖珠町の「やばけい遊覧~大地に描いた山水絵巻」など17件。2015年4月の第一回目から始まり、今回までに計54件を認定。文化庁は、2020年までに約100件の認定を目指している。
認定された地域については、3年間、情報発信や調査研究、普及啓発などの事業に対して補助金が交付される。
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