インバウンドニュース

東アジア訪日客の認知度、訪問意欲とも高い瀬戸内芸術祭 四国周遊で滞在日数増加を

2019.08.27

印刷用ページを表示する


株式会社日本政策投資銀行(DBJ)は、東アジア3地域の瀬戸内国際芸術祭に関する意向調査レポートを発行した。現在開催中の瀬戸内国際芸術祭(瀬戸芸)は2010年から3年ごとに開かれるアートイベントで今年で4回目となる。DBJ四国支店は、2019年5月から6月にかけて、台湾、香港、韓国の東アジア3地域において、日本好き消費者3533名を対象に、オンラインアンケートを実施した。その中から瀬戸芸に関する回答の分析を行ない、このほどレポートにまとめた。

それによると、瀬戸芸への認知度は台湾48%、香港34.1%、韓国28.4%だった。また、往訪意欲は台湾60.1%、香港42.1%、韓国82.6%と高かった。瀬戸芸を訪れる際の宿泊希望エリアは、東アジア3地域ともイベント会場の島々がある「高松/香川」が一番多かったが、岡山や関西エリアを挙げる人も台湾と香港でそれぞれ2~3割存在することから、瀬戸内という広域で周遊につなげられる可能性があると分析した。一方で、瀬戸芸を訪れる日本旅行で何泊したいか尋ねたところ、平均で台湾が4.4泊、香港4.7泊、韓国3.8泊だった。観光庁による訪日外国人消費動向2018では台湾6.8泊、香港6.3泊、韓国4.4泊となっており、瀬戸芸に訪問意欲がある旅行の場合は日本旅行の平均宿泊日数より短いことがわかった。

DBJでは瀬戸芸往訪経験者は、繰り返し瀬戸芸に訪れる「瀬戸芸リピーター」が多い反面、瀬戸芸以外の四国地域への旅行の拡がりはあまり認められないとの見解を示した。それを踏まえ、今後は瀬戸芸をきっかけとして四国全体にインバウンドの経済効果を波及させるためには、瀬戸芸来訪者の関心を四国全体へ拡げ、滞在日数を増やす工夫が必要となる。特に2025年の大阪・関西万博と次々回瀬戸芸は開催期間が重なることが予想されるため、万博や瀬戸芸来訪をきっかけに、四国を含むより広域なエリアに訪日外国人を呼び込むプロモーションが必要であると指摘している。

(やまとごころ編集部)

編集部おすすめ関連記事:

瀬戸内から東北へ、広域連携で欧米豪からの訪日客に「日本の新たな旅」を提案

米国NYタイムズ紙発表「2019年行くべきデスティネーション」で瀬戸内エリアが第7位に

関連インバウンドニュース