インバウンドニュース
ブッキング・ドットコムが2020年夏の日本在住者の旅行動向を公開 国内旅行の魅力を再発見
2020.10.20
ブッキング・ドットコム・ジャパンのデータ分析によると、2020年6月から8月の、日本在住者の予約地点から宿泊施設までを直線距離に換算した平均は、543kmで大阪-福島間程度であった。2019年同時期には1回の旅行で平均1575kmを移動しており、大阪-上海間が約1400kmであることを考えると、昨年は近場の海外旅行が人気であったことがわかる。2020年は海外に行けず、旅行計画を国内に変更することを余儀なくされたが、その中でどのような旅が選ばれたのか。
日本の旅行者の間で最も予約の多かった旅行先を集計すると、東京、大阪、京都、福岡、名古屋が、上位にランクインしている。都市部の定番観光スポットが依然として人気が高い傾向が続いている一方、昨対比で特に予約件数が増え、人気が高まったのは、静岡県下田市、北海道富良野市、静岡県伊東市、東京都立川市、そして神奈川県鎌倉市であった。静かな海辺や景勝地、温泉など自然が豊かな観光地が、再び脚光を浴びているようだ。
宿泊施設タイプでは、三密を避け、ゆっくりと滞在を楽しめる別荘や民泊施設、旅館が選ばれる特徴があった。2019年末の調査では、「民泊を利用したい」と回答した人は16%で、大半の回答者が従来型のホテルへの宿泊を希望していたが、この変化も新型コロナウイルスの影響だといえよう。
日本の旅行者の国内移動の割合は、2019年の6月1日から8月31日までの期間にはわずかに23%で、そのほとんどを海外旅行に費やしていた、2020年同期間には、移動した総距離のうち89%が日本国内での移動となった。
同社CMOのアルヤン・ダイク氏は、「旅行がもたらしてくれる幸せというのは、どこまで行ったかというキロやマイルなどの距離で測るものではなく、身近なところにもたくさんの冒険や、心を癒してくれる場所はある」と述べている。2020年は、旅行先が国内に限られ、移動にも細心の注意を払うことを余儀なくされた。しかし、身近にある自然や観光地、風情ある旅館や別荘にまで視野を拡げることで、非日常の体験やリフレッシュの方法を工夫することができた。このように、いつもとは異なる旅行体験がきっかけで、新たな価値が再発見されている。
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