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UNWTO ロンドンで観光大臣会合「観光再考」をテーマに持続可能性や協力の重要性を強調

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英国ロンドンでこのほど、ワールドトラベルマーケット(WTM)が開催され、その中で観光大臣会合が行われた。

第16回目となる今回の観光大臣会合では、「観光再考」をテーマに、19カ国から閣僚や各界の代表者、ビジネスリーダーらが一堂に会し、観光業界の喫緊の課題に取り組み、今後数年間のアジェンダを設定した。

会合の冒頭では、ポロリカシュヴィリ事務局長が、観光産業を変革するまたとない機会であることを強調した。UNWTOのデータによると、世界の観光産業はパンデミック前の70%程度にとどまっており、「変革する機会がいつまでもあるわけではない。観光は雇用の創出、経済の柱、そしてCOP27を背景にした気候変動問題への解決策としても見直す必要がある」と述べた。

事務局長はまた、観光業の変革をリードするUNWTOの活動概要を発表し、持続可能なインフラと人への投資、とりわけ質の高い教育と適正な雇用の提供に焦点を当てた。WTMの展示ディレクターは、「パンデミック後の世界は、刺激的な機会を明らかにし、観光を再考し、どうすれば未来に向けてよりよく再建できるかを自問する千載一遇の機会を与えてくれた」と指摘した。

世界の各地域から観光大臣が議論に参加し、それぞれの国からユニークな見解が示された。冒頭、サウジアラビア王国観光大臣は、「何よりも持続可能性を重視する」ことを強調し、同国がイノベーションと若者を重視していることにも言及。クロアチア観光大臣は、「観光の再考」をテーマに、「より持続可能性を高めることで、成功を測る進化が必要」と指摘し、モーリシャス副首相兼観光大臣は、観光が平和を促進することを強調し、「観光を再構築するためには、観光を超えた視点が必要だ」と述べた。

エクスペディアとラディソンホテルグループは民間企業を代表し、サステナビリティの実現に向けた積極的な取り組みについて説明するとともに、観光産業が世界中の人々に適正な雇用と生涯にわたるキャリアアップを提供する能力を備えていることを強調した。

また、会合では、観光がサステナビリティを推進し、平和と理解を促進するものであるということが共通のテーマとなり、観光産業は今こそ競争ではなく協力に焦点を当てるべきであると強調する声もあった。

 

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