世界最大級の宿泊予約サイトBooking.comの日本法人ブッキング・ドットコム・ジャパン株式会社は、「2023年の旅行に関する調査」を実施し、その結果と独自のデータをもとに2023年の6つの旅行トレンド予測を発表した。

この調査は、今後12～24カ月間以内に出張またはレジャー・観光目的で旅行に出かける予定のある成人を対象にオンラインで行われ、2022年8月に集計された。過去最多の32の国と地域から2万4179名の回答を得ている。

世界の旅行者の72%、そのうち日本の旅行者では66％が「現下の不安定な世界情勢や混乱の中でも旅をする価値はある」と回答したことから、旅行者は2023年の旅について、今までよりも前向きに捉えているとブッキング・ドットコムは予想しており、戦争やインフレ高進、気候変動など世界中で不安定な状況が続いているにも関わらず、人々の旅に対する姿勢は変化しており、2023年には旅行者は混乱した世の中に適応し、今の時代に合った「新たな旅のカタチ」を模索していくと予測している。

今回、2023年の旅行トレンドとして下記の6つが挙げられている。

1.自然の中のシンプルかつミニマムな「オフ・ザ・グリッド」旅

世界の約半分の旅行者（世界44％、日本31％）が、「必要最低限のものだけで生活するような旅」や「基本に立ち返ることができる旅」を望んでいると回答し、また世界の旅行者の55%（日本38％）が「非日常を味わうための自然に囲まれた『オフ・ザ・グリッド』な休暇」を求めていると回答したことから、電気、ガス、水道などの公共事業に依存せず、自給自足な暮らしをする旅やエコフレンドリーで自然に囲まれた旅が人気となることが考えられる。

2.カルチャーショックを経験する異文化な旅

世界の旅行者の50%（日本の旅行者の31%）が2023年には「カルチャーショックを経験したい」と回答し、世界の51%（日本31%）が「まったく異なる文化や言語を持つ場所へ旅をしたい」と回答したことから、旅行者は異文化体験ができる旅先を訪れたいことが伺える。また、世界の73%（日本の60%）は、「自分の限界を試すような『快適な環境を抜け出す』旅に出かけたい」と回答し、2023年は定番の旅先よりも、ユニークな旅や冒険ができる旅を後押しするようなニッチな体験が人気となると予測している。

3.古き良き時代を思い起こさせるノスタルジックな旅

世界の旅行者の88%（日本80%）は2023年に「ノスタルジックな旅に行きたい」と回答。レトロ映画に登場する場所を訪れることや修学旅行のような気分を味わうために、主要な交通手段としてバスを選ぶ旅行者も増える可能性を予想。また、世界の旅行者の54%は「家族との再会を目的とした複数世代での旅に行きたい」と回答しており、2023年においては、家族と一緒にノスタルジックな旅先を訪れる旅行者が増えると予測している。 

4.チームビルディングを目的とした社員旅行

仕事と旅との関係については、世界の旅行者の66%（日本の旅行者の58%）が「2023年には休暇の時間は一切仕事をしない時間にしたい」と回答したことから、多くの旅行者はワーケーションよりも、旅中は旅の時間を思いっきり楽しみたいと考えていることが伺える。次に、ビジネス旅行について調査をしたところ、世界の51%（日本36%）は、「リモートワークやハイブリッドの就労形態へのシフトによって浮いた予算を雇用主が社員旅行や慰安旅行に当ててくれることを望んでいる」と回答しており、2023年はチームビルディングや社内レクリエーションに重点を置いた、社員旅行や慰安旅行の人気が高まること予想されている。

5.節約して贅沢旅

世界の旅行者の50%（日本34%）が「旅にお金を使うことは厭わない」と回答している一方で、世界の68%（日本61%）は「コスパの高い旅を求めている」と回答している。人々にとって旅は優先事項であり続ける一方で、割引やロイヤルティプログラムを利用するなど予算の活用方法を工夫しながら旅をする人が多くなることが伺える。一方、世界の旅行者の49%（日本38%）は、「この2、3年間で旅に行けなかった分、休暇中はいつもより贅沢にお金を使うつもりである」と回答し、43%（日本：42%）は、「旅を最大限に楽しみ、すべての体験を価値のあるものにするために贅沢をしたい」と回答しており、自身にとって大切なことであれば贅沢をしても構わない、と考えている旅行者も多い。

6.制限や不安なしのバーチャル旅

世界の旅行者の43%（日本38%）が、「来年は旅先を選ぶ際のインスピレーションとして仮想現実（VR）を検討するつもりである」と回答。世界中でメタバースが浸透しつつある中、旅行業界にも大きな影響を与えることが予想されている。