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日本初、実質電力消費ゼロのホテル、2023年春 愛媛県西条市でオープン。設計は隈研吾氏

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2023年5月、愛媛県西条市にある商業施設「いとまち」の敷地内に、日本初のゼロエネルギーホテル「ITOMACHI HOTEL 0(ゼロ)」が開業する。

「白井屋ホテル」「SORANO HOTEL」など国内外で話題のホテルの企画を行ってきた株式会社GOODTIMEがこのほど発表した。グローバルでの半導体関連機器製造をに加え、近年再生エネルギーや地方創生・まちづくり事業も展開する株式会社アドバンテックとともに手掛ける。

施設のある愛媛県西条市は、北に瀬戸内海、南に西日本最高峰の石鎚山を有し、名水百選にも選ばれた「うちぬき」と呼ばれる自噴水が街中に湧き出る水の都で、豊かな自然と同時に四国屈指の農業・工業都市という側面も持つ。

「いとまち」は、その西条の新たな賑わいの創出を目指し2020年に開業した施設で、建築家の隈研吾氏監修による「まちづくり」のプロジェクトで誕生した。隈研吾氏設計のホテルも、西条ののびやかな自然と建築の洗練を感じる佇まいとなっている。

建物用途別のエネルギー消費量でみると、ホテルは床面積あたりの電力使用量が飲食店に次いで2番目に高い。そのため、ホテルの電力使用量を実質ゼロにすることは、脱炭素社会を加速させることに繋がる。そこで、ITOMACHI HOTEL 0は、日本国内のホテルで初めて、環境省が定める最高ランクの「ZEB」の認証を取得。「ZEB」とは、Net Zero Energy Buildingの略称で、快適な室内環境を実現しながら、建物で消費する年間の一次エネルギーの収支をゼロにすることを目指した建物のことだ。建物に省エネルギーと創エネルギーの機能を同時に備えることで、実質的な電力消費ゼロが可能になる。

「いとまち」で既に営業している施設でも「ZEB Ready」(省エネで基準一次エネルギー消費量から50%以上の一次エネルギー消費量の削減を実現している建物)の認証を取得。また、マイクログリッドが確立された街区計画となっており、災害発生時は3日間800名分の非常用電源・水・食を提供できる防災拠点としての機能も併せもつ。

今後も温浴施設、和食レストラン、住宅街区など、続々と新たな施設がオープン予定だが、ITOMACHI HOTEL 0は「いとまち」全体を楽しんでもらえる「まち泊」を提供するホテルとして、西条内外のヒト・モノ・コトの交流と賑わいを牽引し、西条の関係人口拡大に寄与することを目指す。

 

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