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奈良市の2022年観光入込客数、2019年比5割強回復。外国人宿泊者数 米国がトップに
2023.08.22
やまとごころ編集部奈良市が、2022年1月〜12月の観光客数を調査した「奈良市観光入込客数調査報告」を発表した。これによると、2022年に奈良市を訪れた観光客は929.4万人となり、前年比で26.5%増となった。コロナ禍前の2019年と比較すると約5割強まで復活。修学旅行需要の増加が特に目立っており、10月以降はコロナ禍前を上回る回復を記録した。
また宿泊客数も137.9万人に到達し、観光客数に占める割合は14.8%と前年比で59.6%増加、過去10年間での最高値を記録した。2022年10月から「全国旅行支援」キャンペーンでの割引が開始されたことで、宿泊の需要が高まった。
下の表は2022年に奈良市を訪れた観光客数の詳細だが、その中で外国人観光客を見ると、前年比306.5%増の18.7万人で、このうち日帰り客は前年比307.5%増の16.3万人、宿泊客は前年比300%増の2.4万人となった。ただし、2019年比では94%減だった。
日本政府は2022年6月より添乗員つきのツアー客に限定する形で外国人観光客の受け入れをおよそ2年ぶりに再開し、1日あたりの入国者数の上限が2万人に引き上げられた。10月には入国者数の上限撤廃や外国人の個人旅行が解禁されたことも影響し、11月以降は本格的に回復傾向にあった。奈良市でも、10月以降の外国人宿泊者数は順調に回復している。
国籍別の外国人宿泊者数ではアメリカからが最も多く4300名、次いで中国、韓国の順になっている。中国の2019年の宿泊者数は25万9360人と最も多かったが、海外渡航が再開していないこともあり、回復が遅れている。ただし、日本政府観光局の2023年上半期速報値によると、すでに2022年の約3倍の外国人観光客の訪日があり、今年も回復度の大幅なアップが期待できそうだ。
なお、観光消費額については、「観光入込客統計に関する共通基準」に基づき奈良県が実施した調査結果によると、2021年の奈良県における1人あたりの観光消費額は、宿泊が2万3394円、日帰りが3483円だった。上記1人あたりの観光消費額に、奈良市の2022年の観光入込客数を乗じて2022年の奈良市の観光消費額を推計すると、前年比170.3億円増の598.3億円となった。
(図版出典:2022年 奈良市観光入込客数調査結果)
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