インバウンドニュース
2024年JAPAN TRAVEL AWARDS発表、10地域、企業が受賞。グランプリはバリアフリーな体験を提供するゼログラヴィティ
2024.02.07
やまとごころ編集部2024年のJAPAN TRAVEL AWARDS(ジャパントラベルアワード)の受賞者が発表された。今回で3年目となるこのアワードは多様性やサステナビリティ、インバウンドへの取り組みを評価するもので、海外向けのブランディングを行う(株)しいたけクリエイティブが主催。「ただの観光地ではない、感動地」をモットーに地域や企業を表彰している。今回は過去最多となる163エントリーがあり、10の地域・企業が受賞した。ここでは受賞者の顔ぶれや特徴を紹介する。
グランプリ:「ゼログラヴィティ」(鹿児島県奄美郡瀬戸内町)
グランプリを受賞したのは、奄美大島で障害の有無にかかわらずマリンスポーツが楽しめるサービスを提供する一般社団法人「ゼログラヴィティ」。宿泊施設やボート、プールなど全てがバリアフリー、安心して誰もが楽しめる体験を提供しているのが受賞理由として挙げられる。
アクセシブル(アクセス可能)部門:「なにわ一水」(島根県松江市)
1918年創業の老舗旅館。視覚障害者や車椅子利用者向けの施設作りに取り組むだけでなく、「食のバリアフリー」にも取り組んでいることが評価された。風光明媚なロケーションの老舗旅館として伝統を守りながら、進化も続ける姿勢で「宿泊施設部門」とのダブル受賞。
LGBTQ+部門:「ホテルパームロイヤルNaha国際通り」(沖縄県那覇市)
LGBTQ+フレンドリーなホテルであるという姿勢を明確に視覚化したところが評価された。イベントや協賛活動を通し、継続的に地域のLGBTQ+コミュニティを支え、観光業に携わる多くの事業者の模範になる。
サステナブル部門:沖縄ダイビングサービス「Lagoon」(沖縄県恩納村)
自分で作ったサンゴ苗を海に植え付けるなどの活動が、環境に貢献しているとされ受賞となった。珊瑚について学び、サステナブル活動として楽しく理解して参加できることが、責任あるツーリズムの見本となる。
インバウンド部門:「宿坊覚林坊」(山梨県身延町)
本質的な宿坊体験にできるだけ近い形を外国人が体験できるよう、創造力豊かに作り上げた体験構築が評価された。多様な文化やハラルも含む食体験も特徴。
文化部門:海女小屋体験施設「さとうみ庵」(三重県志摩市)
海女との交流という珍しい体験を軸に、季節や天候が左右する海女の収入を安定化する目的も達していることが評価された。地域が誇る文化遺産を保護する役目を果たしている。
ファミリー部門:「森の国 Valley」(愛媛県松野町)
渓谷にたたずむロッジやキャンププログラム、自然栽培農場など、日々の暮らしや自然との共生について考えるきっかけを大人にも子供にも提供。子連れ家族に優しい、快適な宿泊施設提供が評価された。
観光地開発部門:「戸隠ユニバーサルツーリズムデスク」(長野県長野市)
アウトドア用車椅子のレンタルなどで、障害のある旅行者が同行者と一緒に、自然を壊すことなく楽しめる点が評価された。古道や神社、大自然を障害あるなしに関わらず一緒に楽しめるシステム作りに励んでいる。
「トランスフォーマティブ・トラベル部門」(2カ所が受賞)
「田歌舎」(京都府南丹市)
自給自足のレストラン・宿泊・自然体験を提供。地元に根付く自給自足の集団の生活を間近に体験することで、自然や動物との共存を考える。持続可能性を学び、考える機会を旅行者に与えるとして評価された。
「INOW」(徳島県上勝町)
日本で初めてゴミを出さない「ゼロ・ウェイスト」に取り組むプログラム。ゲストが地域の暮らしを体験することで、自らを変えることができる学びの機会を得られる。企業や地元住民との交流も盛んで、全てのコミュニティと知恵を共有する姿勢が評価された。
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